Y.Sさん(男性 26歳)
中国の日系メーカー工場で生産管理を担当
中国の日系メーカーの現地採用
私は中国の日系企業の工場で働いていました。駐在員ではなく、現地採用でした。駐在員と現地採用では待遇が色々と違うので、私の体験はもしあなたが駐在員の中国での生活を知りたいのであれば、あまり参考にならないと思います。
逆にこれから中国で現地採用で働こうと考えているのであれば、参考になると思います。
海外で働くきっかけ
私が中国で働こうと思った理由は、学生時代に中国に留学しており中国語が話せたこと、日本が嫌いだったから海外に出ようと思ったこと、日本では仕事が見つからなかったこと、当時中国が成長しており日本よりもチャンスがあると思ったからです。
大学卒業後、日本で2年間働きましたが、日本の閉塞的な環境で働くことでどんどんストレスが溜まり、日本で働くことが憂鬱になってしまったので、思い切って中国で働こうと決めました。
海外で現地採用で働いている人や海外で働きたいと思っている人の中には、同じように考えていらっしゃる方が多いと思います。きっとあなたも私と同じような理由で海外で就職した、あるいは就職したいと考えているのかもしれませんね。
現地工場の生産管理職で採用
私は中国の日系メーカーの工場に就職しました。生産管理の仕事でした。私は文系の出身で製造業に興味があったわけではありませんが、製造業の方が給料が良くたくさんあったので、工場で働くことにしました。
今考えると、こういう理由で仕事を選ぶのは良くないですね…。結局、私も後悔しました。なので、もしあなたにやりたい仕事があるのなら、たとえ給料が少なくてもその仕事を探した方が、長い目で見ると絶対に幸せです。
中国など物価の安い国なら、多少給料が低くても日本で生活するよりも貯金も貯まりますし、良い生活ができますので、給料の多い少ないはそれほど重要な問題にならないと思います。
もしあなたが中国で働こうと思うのであれば、日本と違うという事は覚悟しておいた方が良いです。日本と中国では、仕事に対する考え方が全く違います。
特に、もしあなたが日本で何年か働いたことがあり、日本流の仕事のやり方を身に付けてしまっているのであれば、かなり苦労するかもしれません。
中国で苦労した事
私が苦労したのは、納期と仕事の品質です。これは私だけではなく、中国で働く多くの人が苦しむ問題です。特に工場で働く人に多いです。中国は日本ほど納期が遵守されません。納期なんて、目安にしか思っていない感じです。
逆に日本では納期は絶対厳守でリスクをコストをかけてでも守れという感じです。ここに、日中間でかなりの温度差があり、生産管理をしている人を常に悩ませることになります。
自社で生産している物に関しては、残業などでなんとかすることはできますが、ローカルのベンダー(仕入先)は納期に無頓着なので、納期が遅れることは日常茶飯事です。
計画の一部が遅れると後工程の計画もズレてしまうので、結局生産計画通りに生産ができず、納期に遅れたり数量不足で納品することになってしまいます。
納期が遅れるのは、ベンダーが納期を守らないだけではなく、品質が悪く生産が止まったり、材料が不足したりしても起こります。
そして、日本は納期厳守であるため、納期の遅れる日本の顧客に連絡する時は怒られてしまいますし、代替案を作成しても、トラブルなどが起こり結局計画通りに進まないので、また顧客に起こられるという繰り返しです。
深刻な納期遅れや不良率の場合は、お客様から賠償請求を受けるようなこともあるシビアな業界でしたので、前任の責任者(工場長)は鬱になって日本に帰ってしまったそうです。
納期、品質以外にも、トラブルを報告せず隠蔽するということもよくありました。そのため、問題が更に悪化したことも少なくありませんでした。トラブルとストレスが多く、病気になったりもしました。
メーカー退職後、フリーランスへ
私は現在、この日系企業の工場を辞めて、インターネットで自分でビジネスをしています。仕事のキャリアとしては、中国での就職は失敗だったかもしれませんが、中国で就職して日本では味わえないトラブルを経験したおかげで成長ができ、結果的にインターネットで稼ぐ今の自分になれたと思います。
海外での就職は、日本とは勝手が違うので、日本のような感覚で仕事をしたいと思うのであれば、日本ではあり得ないトラブルが発生して、日本で働く以上にストレスが溜まると思います。
また、日本とは社風が違うので、海外での就職が長いと、今度は日本の組織になじめなくなることもあります。
軽い気持ちで海外で就職したいという人には、海外での就職はお勧めできませんが、何が起きてもずっと海外で頑張るという強い意思があるのなら、海外で働く準備を始めて、なるべく早く海外に出た方が良いと思います。
海外就職は情報力がキーポイント
また、駐在員にしても現地採用にしても海外就職の場合は自分の力だけに頼らず、転職エージェント等ちゃんと担当者がついて相談できる人を見つけて、一緒に転職活動を進めた方が良いと痛感しました。というのも、海外就職は「最新の情報」が何よりも貴重です。
その国の情勢、治安、現地人たちの仕事の進め方、商習慣・・・・そういった事は日本で働いている人は想像できないと思いますし、特に中国の生活環境や労働環境、スタッフたちの行動は予想のナナメ上をいきます。(笑)
エージェントのキャリアアドバイザーに最新の情勢を確認したり、海外就職向けのセミナーや説明会にまずは参加して、自分でも働けるか?覚悟が決めれるか?等をしっかり検討した上で海外就職に挑戦してもらえればと思います。
まとめ
中国は日系企業の製造業・メーカーの工場が多く、海外求人も製造業経験者の募集が多くあります。
比較的高待遇な駐在案件もありますが、現地採用の場合は特に注意して募集を吟味しないと、今では中国も物価上昇や賃金上昇が急激に進行している為、【少ない給料でも楽に暮らせる】国では無くなってきています。
また、対日関係の悪化やチャイナプラスワンの動きによる日系メーカーの進出規模縮小など、あまり見通しはよくありません。
しかし、今後も中国が【世界の工場】であり続ける事はそう簡単には変わりませんし、駐在員として良い職に就く事ができれば東南アジアの発展中の国々で暮らすよりも便利で快適な暮らしができる国でもあります。
製造業・メーカーの海外就職の方法については別途詳しくご紹介していますので、下記をご参照ください。