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円高や円安など為替相場の変化は海外就職者にどう影響するか?

投稿日:2019年4月3日 更新日:

2022年4月現在、円相場は対米ドルで126円を超え、20年ぶりの円安に突入しています。

ロシアウクライナ問題など世界情勢がきな臭くなってくると、過去は祐志の円買いと言われて円高傾向でしたが、今回は円は売られる一方。。日本円の価値が世界的に下がっているのでしょうか。私は経済に疎いのであまりはっきりとはコメントできませんが・・・

日本で暮らしながら日本の企業に勤め、日本円でお給料を貰っている人達にとっては日常生活で為替の上下はあまり影響が無いかもしれません。(Fx等をやっている方や株式投資をされている方は今修羅場だと思うけど・・・)

しかし、海外で暮らしている海外就職者は、この為替レートの増減がダイレクトに実生活に影響を及ぼす場合があります。

アメリカ駐在員で日本円を基準にドルで給料をもらっている人たちの悲痛な叫びも聞こえてきた中、今回は、為替相場の海外就職者への影響についてご紹介します。

 

海外就職者の給料の貰い方

海外就職者と言っても、雇用形態や所属によって非常に幅広いです。まず、お給料の貰い方が数パターンに分かれます。

 

1:全額現地通貨で給料受け取り

現地採用や、外資系の企業に多いパターン。私も今香港で外資系企業に努めておりますが、香港ドルで全額給与を受け取っています。

この場合、対円の為替レートが上下しても、支給される給料に変動はありません。

冒頭に申し上げたような日本円の給料を基準にして現地通貨給料が変動する企業もあります。

しかし大抵は為替だけでなくJ-COL指数という東京の物価を1として現地がどの程度の物価なのかを指数化した物を掛け合わせて、為替の変動で大きく給料が動かないような仕組みを採用している企業が多いです。

 

2:全額日本円で給料受け取り

駐在員や長期出張扱いの海外在住者に見られる給与のパターン

日本の口座、または現地の口座(マルチカレンシー口座)に日本円で給与が支払われます。日本円で給与を受け取る為、実際に現地で暮らして行く為には現地通貨への両替が必要になります。

もし、円安になれば現地通貨を多く受け取る事が出来ますが、反面円高になれば現地で使える給料が目減りしてしまいます。

 

3:全額米ドルで給料受け取り

こちらは、外資系や駐在員に多いパターン

現地の口座に全て米ドルで給料を振り込まれます。駐在員でも流通性の低い通貨の国(例えばベトナムやカンボジアなどのアジアの途上国)で駐在する場合は米ドルまたは日本円支給が多いです。

これは、流通性の低い通貨で給料を受け取ると、国によっては帰任の際に日本円に出来なかったり、インフレなどで通貨の価値を失ってしまう可能性もある為、リスク回避の側面が強いです。

ちなみに、私は香港ドルで給料を貰っていますが、香港ドルは米ドルとペッグ制を採用しており、連動している為比較的リスクは少ないです。

 

4:日本円と現地通貨のハイブリッド

日系の駐在員では一番こちらのパターンが多いと思います。

会社によっては、日本円と現地通貨の割合を自分で決める事で、現地で暮らしながら日本円の貯蓄をする事なども可能です。一番、為替変動の影響を受けにくい方法だと思います。

私が以前勤めていた日系メーカーの駐在員時代は、毎月の給料は全て現地通貨で支給されましたが、年2回のボーナスだけは日本円で振り込まれました。

 

日系企業の給与を決める基準通貨

日系企業の場合、基本的には日本円での給与を基準として、現地通貨へ換算します。

その為、年数回の為替見直しによって、支給される給与額が変動する会社もあります。とはいえ、基本的には極力為替の影響を受けないように物価指数等の係数を盛り込んで海外駐在員の給与を決める事が一般的です。

駐在員として海外で働く場合、一般的な企業は【ある程度現地で余裕を持って暮らせる給与や手当】を設定しますので、あまり心配する必要はないでしょう。

 

 

問題は、現地通貨の貯蓄

為替の変動で海外在住者が一喜一憂するのはやはり【現地通貨の貯蓄額】です。
必死に貯金していても、帰任、帰国時に今回の様に急激に円高になれば日本円換算の貯蓄額は目減りしてしまいます。

逆に、日本に帰国する時に円安になればウハウハなのですが・・・・

 

為替変動に対するリスクヘッジ

長期的(数年単位)で海外に暮らして働く人たちが為替変動によるリスクを回避する為には・・・

  • 定期的に日本円に両替する
  • 流動性の高い通貨で貯蓄する(米ドル、ユーロなど)
  • 複数通貨をバランスよく保有する

上記のような対策を取る事で、突然の為替変動による資産の目減りを防ぐ事が出来ます。

個人的には、米ドルやユーロなどで給料を受取っているのであれば、日本円と並行してバランスよく貯蓄しておくことが一番の為替リスク回避に繋がると思います。

ただ、現地で開設した銀行口座は日本に帰国した後に適切に管理しないと、口座凍結されてしまう場合もあるので注意して下さい。

日本に帰国する際に、現地通貨がたくさんある場合は日本国内の銀行の外貨預金口座に移すのが一番安全かと思います。日本に戻る際に円高だった場合は外貨預金としてそのまま保有しておいて、円安になったタイミングで日本円に替える事が出来ます。

海外在住者には新生銀行のパワーフレックスが非常に便利です。

これから海外赴任する、海外就職を目指している方は日本にいるうちに口座開設しておく事をおすすめします。

 

 

まとめ

海外就職、海外転職活動を進める際は給与条件をチェックされると思いますが、日系企業への就職の場合は

  • 給与の基準通貨
  • 支払い通貨
  • 日本円と現地通貨の支払い割合を決めれるか?

上記3点は必ずチェックする事をおすすめします。

企業に聞きにくい場合は、転職エージェントに確認してもらいましょう。給料交渉や福利厚生の確認など、自分が聞きにくい事や言いにくい事を代わりにやってもらうのが転職エージェントを利用して就職活動を行うメリットでもあります。

海外関係の求人は、物理的に距離も遠い為情報収集を怠ると採用後に理想と現実のギャップがあって苦労する場合も多いです。

採用が決まっていざ現地に行ってから【こんなはずじゃ・・・】とならないように、事前の情報収集をしっかりと行いましょう。

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