海外就職、海外転職と切っても切れない問題。それが「家族」です。
日本のサラリーマンも、全く縁のない土地に転勤になったりすると、奥さんが病んでしまったりする事は往々にあると思います。
しかし、海外の場合はもっと深刻になる場合が多いです。私の周りでも、海外駐在員生活がきっかけで離婚されたかたが少なからずいらっしゃいます。
もちろん、奥様だけでなく、子供の問題、他にも実家の家族の問題等、日本では起こり得ない問題も出てきます。
今回は海外就職に伴う「奥様」「子供」「両親・義両親」の問題について、詳しくご紹介していきます。
※私が男なので、男性が海外就職、配偶者である奥様と子供の問題についてフォーカスをあてて紹介しますのでご了承ください。
奥様(配偶者)の問題
奥さん暇すぎ問題
海外駐在員や外資系就職の場合、日本で働いていた時よりも激務が予想されます。平日は朝から晩まで、夜は会食・飲み会の連続。
せっかくの休日も、本社から偉い人が出張に来たりするとフルアテンドで観光案内までしなければならない・・・・
上記のような事はザラにあります。
そうなると、奥さんは暇です。非常に暇になります。
引越ししたての時は、もちろん知り合いや友達も全くおらず、平日の昼間からやる事がない。そして、旦那さんの会社の規定にもよりますが基本的に駐在員の帯同家族は現地で仕事をする事をNGとする会社が多いです。
これは、駐在員の場合、現地で発生する所得税等を会社負担するケースが多い為、奥さんが働く事によって余計な税金を納めなければならなくなるからです。
また、ビザの問題もあります。旦那さんは会社がスポンサーとなり就労ビザを発行してもらえますが、奥さんや子供は配偶者ビザや扶養家族ビザの発給になります。
国によっては、配偶者ビザでの就労を禁止している場合もあるので、物理的にその国で働く事が出来ない場合もあります。
何回も言いますが、とにかく暇なのです。
駐在妻めんどくさすぎ問題
東南アジアや中華圏など、駐在員が多く住んでいる国には、非常に強力な日本人コミュニティが形成されます。日本人は海外でも群れる傾向にあります。
特に、駐在員の家族。いわゆる駐在妻のコミュニティの影響力の強さは半端では無いです。
日本でも、最近タワーマンション内のヒエラルキーやコミュニティのエグさを誇張したドラマをやっていますが、あのドラマ以上のエグさが、リアルにあったりします。
駐在妻のヒエラルキーは旦那さんの職種や年収によって順位がつきます。
例えば、コミュニティ内で立場が高い順に並べると・・・
- 政府関係(外交員など)
- 国際機関系(国連、世界銀行など)
- 銀行・証券系
- 大手総合商社
- 大手メーカー
- 中小メーカー
- 中小商社
上記に加え、子供の学校がインターか日本人学校か?英語が喋れるか?海外駐在歴は?などなど総合的に判断されて順位付けされてしまいます。
くだらない。実にくだらないです。当の本人でなく、奥様達が旦那の職業でマウンティングし合う。実にくだらない。
しかし、現実としてこのような事は往々にあります。タイでも香港でもありました。
海外で暮らしているのに、日本人との付き合いが一番疲れます。
余談ですが、何故か自分の年収もだいたいバレます。
(過去の駐在員、上司先輩駐在員の情報等から広まるようです)
また、旦那様の年収が低い場合、周りのリッチな駐在妻を横目に、劣等感に燃える事もしばしば。
子供の教育問題
インターか日本人学校か?問題
これは、親の問題かもしれませんが、海外で子供を学校に行かせる場合、日本人学校に行かせるかインターナショナルスクールに行かせるかの2択になる事が多いです。
(あまりに日本人が少ない国だと、現地の子と一緒の学校の場合もある)
将来的に英語を話せて、国際的な感覚を身につけてほしい・・・と思えばインターナショナルスクールが良いかもしれませんが、まず学費がとても高いです。
会社からの補助が全額出ない場合は、かなりの家計圧迫になります。(一般的には日本人学校の費用は出してくれても、インターの場合は自腹のケースが多い)
また、もう一つの問題として、日本に帰った時に日本人ルールに馴染めないいわゆる【The・帰国子女】になってしまう恐れがあります。
個人的には、これはこれで良いと思いますが、子供本人が日本人とのギャップで悩んだり落ち込んだり、阻害される可能性があります。
日本のマナー身につかない問題
子供の頃の教育は非常に大切です。一般的なマナーや道徳観は、親の背中を見て育つだけではなく、外の世界にもかなり影響されます。
例えば香港では【ゴミを分別しない】【肘をついてご飯を食べる】【大きな音でゲップをする】【口をあけて咀嚼する】【ファストフードのトレイは返却しないでOK】などなど・・・日本でやったら非常識な事でも、香港では何の問題にならない事もあります。
個人的には、口をあけて咀嚼されたり、口の中の骨とかを床やテーブルにペッって捨てるのは生理的に受け付けないのですが、香港では普通に目にする光景なので子供もマネします。
どれだけ、日常の中で日本式のマナーを教育できるかが大切です。あまりに海外スタイルになると、日本に帰った時に仕事が見つからなかったり友達が出来にくくなるので良く見ておいてあげてください。
両親・義両親の問題
親の死に目に会えない問題
私が海外で住みながら働いていてすごく後悔したのは、家族の事です。
もし、両親や儀両親が倒れた、緊急入院したという知らせがあっても、すぐにその夜中に日本に帰れるとは限りません。
飛行機も混雑していればすぐ乗れる便があるとは限りません。そもそも日本直行便が無い国だと余計に。
私も父を亡くした時、間に合いませんでした。
日本にいれば夜中でも車を飛ばせば1日で帰れたのに・・・・と自分を責めた事もあります。
親の介護、親戚付き合い問題
海外就職を検討されている30代前後の方だと、ご両親も高齢に差し掛かっており、親の介護等の問題も出てくる時期です。
日本にいる時よりも、レスポンスが悪くなる事は覚悟が必要ですね。
海外就職で家族問題を回避するには?
では、海外就職や海外転職に伴う上記のような家族の問題を回避するにはどうすればよいでしょうか?
個人的にたどり着いた結論はずばり【お金】と【思いやり】です。
お金は絶対に重要
これだけは断言できます。日本にいる時よりもお金を稼がないと、やっていけません。
海外就職や海外転職をして、家族を巻き込んでしまう場合、家族(奥様や子供)は日本にいる時よりも不自由な生活でストレスが溜まりやすいです。(たとえ、海外で素晴らしい経験ができたとしても)
家族のケアの為のお金を惜しむ事だけは避けましょう。
定期的に日本に帰る費用や、リフレッシュの海外旅行、日々の食材も日本食材を揃えようとすると、ものすごいお金がかかります。
また、お子様への学校、語学学校や塾などの教育費などもたくさんかかります。
ですが、日本より不自由な思いをさせているのだから、少しでも海外で不自由なく暮らせるようにお金は使うべきです。
ここをケチると、家庭内に悲壮感が漂います。
海外で働く形態としては駐在員・現地採用・外資系等がありますが、ご家族がいらっしゃる方は給料の安い現地採用は極力避けて、駐在員案件や外資系の高収入な仕事に就く事が非常に大切だと思います。
海外に来てまで貧乏な思いをさせてしまっては、家族が辛すぎます。
せめて海外にいる間だけでも、お金は家庭に惜しみなくかけるようにした方が良いです。
思いやりを大切に
これは、このサイトというか私の専門分野から外れるので簡単に書きますが、海外で暮らすという事は奥様にとっても非常にストレスになり、不安も大きいです。
旦那さんは毎日仕事が忙しくて相手が出来ないかもしれません。だからこそ、限られた時間の中だけでも最大限、家族との時間を大切にしてください。
まとめ
ここまで色々と偉そうに書かせて頂きましたが、私は海外駐在員時代に離婚しております。
だからこそ?痛みを知っているので色々書かせてもらいました。
実際、駐在員・海外駐在の家族は鬱病になる率も自殺率も日本の平均より高い水準にあるようです。それだけ、日本では経験する事のないストレスにさらされているという事をまず理解する事が大切です。
そして、言い方が悪いかもしれませんが、お金がある程度あることで回避できるストレスやトラブルもたくさんあります。
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