海外就職のメリット・デメリットについては、このサイトを立ち上げた当初真っ先に記事にしたのだが、今回はもう少し個人的に海外で暮らしながら働いている時に感じるネガティブな事について触れてみる事にします。
一応、日本での社員経験、駐在員としての経験、外資系の現地採用の経験もあるので、それぞれの雇用形態で感じた不安や辛かったことなども比較しながら挙げていこうと思います。
海外で暮らす事について
海外に住んでるワクワク感はすぐ消える
普通に仕事をしていると、結局平日は会社と家の往復の毎日。「あれ、俺海外住んでる意味ないんじゃね?」と感じてしまいがち。特に駐在員時代は拘束時間も長いし日本人付き合いも多かったので余計に。
まともな日本食が食いたい
香港も日本食料理屋はたくさんあるけど、美味しい店はとても高い。日本人が経営してないなんちゃって日本料理屋は味がヤバい事が多い。また、吉野家みたいなファストフード的なお店もローカライズされていて日本と味が違う事が多い。
とはいえ、アジア圏はまだ全然良い。タイは日本食普通においしかった。しかし個人的には1年間のドイツがキツ過ぎた。
気候の違い
タイも香港も高温多湿。キツイ。日本の四季が恋しい。このジメっと感は盆地代表の京都の夏をはるかに凌駕する息苦しさ。
あと、関係ないけどゴキブリがでかい。ネズミが普通に走ってる。
風呂が無い
風呂が全然ない!家でもシャワーブースしかない事も多いし、何より今はとにかくスーパー銭湯に入りたい。疲れ全然取れない。
トイレ問題
ウォシュレット無い、便座冷たい、水は全然流れない、公衆トイレは汚すぎる。改めて日本のトイレ環境の素晴らしさを感じる。
プライベート・家庭について
帯同の家族のフォロー
奥さんと一緒に海外赴任してくると奥さんのフォローも大切。奥さんのストレスは地方転勤の比じゃない。わかっちゃいるけどうまくいかない時もあった。(結局ダメにしてしまった人)
駐在員コミュニティ
日本人村じゃないけど、とにかく日本人同士の付き合いはないがしろにできない。なぜなら狭い世界だから。仕事でかかわりがある人だったり、子供の学校で関わったり。とにかく適当な対応は出来ないのだ。
特に駐在員となると余計コミュニティが濃ゆくなる。
仕事について
日系駐在員時代
日本的付き合い
下手すると、日本で働いている時よりも昭和の日本企業的な付き合いをする羽目になる。単身赴任できている上司なんかがいると最悪。休日もゴルフ。毎晩晩飯と飲みも行かなければならない。
などなど。日本にいる時と比べて拠点に人数も少ないので人間関係は良好に保たないとやっていくのが大変。
本社からのプレッシャー
これは特にマネージャークラスの悩みだと思うけど、期待と言う名のプレッシャーがかかる。結果を出せないと悩む→うつになって帰国する人も少なくない。
日本と現地の温度差
日本(本社)側からは日本の企業的な対応を求められるし、現地スタッフに対しても日本のスタッフの様に対応させろと言われる。しかし、現地スタッフに日本的対応を強要すると反発が生まれる。板挟みの駐在員はキツイ。
現地スタッフとのコミュニケーション
現地スタッフとの給与格差や、立場の違いなどもある為、こちら側からグイグイコミュニケーションをとっていかないと溝が埋まらない。とりあえず相手の文化や言語を理解する事に努め、ガードを緩める必要がある。
もちろん、そんな日々の地道な取り組みなんて本社側には伝わらないし理解もされない。
外資系現地採用時代
雇用の不安定さ
正直、いつレイオフ(解雇)されてもおかしくない。仕事ができる出来ない、結果が出せる出せないという判断基準もあるが、何より怖いのは全体的に不景気になった時の大規模なリストラと、最悪の場合は現地法人の撤退。
外資系の方が、採算が取れないと判断した場合海外法人をあっさり撤退する場合もあるようだ。恐ろしや。
ノリがわかんない
欧米人、香港人、中国人、そして私は日本人。どうやったら良いのよ?
基本的にはマジョリティの香港人ノリに合わす。あとは世界共通言語の下ネタで乗り切ろう。疲れる。
人材の流動が激しい
香港はもともと転職転職でキャリアアップする感じの働き方をする人が多いから特にそうなのかもしれないが、外資系はとにかく社内の人の入れ替わりが激しい。部下がコロコロ変わる。上司も変わる。
日本に戻った時にキャリアを活かした転職ができるか
今は香港に腰を落ち着けているが、死ぬまで香港で暮らす自分は想像がつかない。漠然とではあるがいつかは日本に戻ろうと考える。
その時に、はたして自分のキャリアを活かしてまともに再就職できるのか?こればっかりは経験がないので、「なんとかなるだろ!」と「大丈夫かな・・・」の比率は5対5くらい。楽観と不安のカフェオレ状態。
日本人部下のマネジメント経験がない
駐在員時代は管理職では無かった為、部下を持っていない。外資転職後はManager職に就いた為、小さいセクションではあるが数人の部下がいる。
果たして、これを日本での再就職活動時にマネジメント経験ありと呼んでいいのだろうか? 日本人の部下を育てた事がない管理職候補に果たして求人はあるのだろうか!?
まとめ
ちょっと疲れがたまっていたのか、想像以上に色々とネガティブなポイントが出てきました。(汗)
海外就職し、数年間日本を離れて生活すると改めて、日本の暮らしやすさやご飯のおいしさを再確認する事になります。綺麗なトイレや美味しいお米など、失ってから気付くものは多々ありました。
また、海外で働く日本人はうつ病になってしまうの人が多いというのもなんとなくわかります。
おそらく、海外で就職して暮らしている人達は、私が挙げたようなストレスにさらされている人が多いと思います。ひとつひとつは些細なことなのですが、日々積み重なっていくとある時耐えられなくなってしまう場合もあります。
だからこそ、「なぜ、海外で働きたいのか?」という自分の海外就職に対する動機はしっかりと考えておく事をおすすめします。
海外就職の経験を活かすも殺すも、結局は本人次第です。
海外就職に興味がある方は是非、この機会に自分と向き合って海外就職の動機について考えてみてください。