海外転職や海外就職を目指す上でワーキングホリデーと言う選択肢について
まずはワーキングホリデーで語学力を磨いてから・・・と言うことをおっしゃる若い人がいますが、本気で今後海外で働いて生活していきたいのであれば、ワーホリはやめておいた方がいいです。
確かに、ワーキングホリデービザは通常の就労ビザよりも条件が緩く、海外で暮らしたい場合お手軽な方法として魅力的かもしれませんが、あなた自身のキャリアアップには繋がらない。下手をするとマイナスの評価を受ける可能性があるという事を知っておいてください。
今回は、ワーキングホリデー制度と、海外就職・キャリア形成について詳しくご紹介します。特に海外就職を検討されている20代の若い方は是非参考にしてください。
目次
そもそも、ワーキングホリデーとは?
ワーホリ、Working Holiday...
ワーキングホリデーという名前の通り、休暇を楽しむ目的で現地での生活費をまかなうための労働が許可されているビザの事。 また、現地で長期滞在することによって現地の異文化を理解し、相手国と自国の相互理解を深めることを目的として作られた制度の事です。
平たく言うと、日本とワーキングホリデー協定を結んでいる国同士で若い人同士の交流を推進する為の制度です。1年間滞在国で【海外で遊んだり働きながら文化交流を行う】事が目的とされています。
ワーキングホリデーで行ける国
現在、日本とワーキングホリデーの協定を結んでいる国は13カ国あります。
オーストラリア・カナダ・ニュージーランド
フランス・イギリス・ドイツ
ポーランド・アイルランド・デンマーク・ノルウェー
韓国・香港・台湾
これらの国で、18歳~30歳までの人は1年間のワーホリビザを取得して滞在する事が出来ます。
ワーキングホリデービザで出来る事
勉強あり、仕事あり、遊びあり。何でもできる
ワーキングホリデーのビザを取得した場合、仕事をする事もできるし、学校に通う事も出来ますし、もちろん遊びまくってもOKです。ホリデーですから。
1年間という限られた時間ですが海外で暮らして色々な体験ができる事はその人にとって貴重な経験になると思います。
仕事の選択肢が狭い
ただし、ワーキングホリデービザで就業する為にはもちろん制限があります。
国によってはフルタイムの勤務は3カ月まで(ニュージーランド)だったり、同一雇用主のもとで最長6カ月しか働けないなどの制限があります。フランスやドイツは無制限ですが・・・・
そもそも、日本人がふら~っと1年間限定で海外に滞在する場合、働ける職種はかなり狭まります。ワーホリ滞在者の勤務先として多いのが、日本人向けの飲食店スタッフやウエイター、お土産屋の店番、ベビーシッターや語学学校の受付(日本人対応係)などなど・・・
英語力がもともとあれば現地企業でオフィスワークをする事も出来ます。しかし基本的にはアルバイト待遇の仕事に就く事が圧倒的に多いです。
期間が1年と限られている為、雇う側も一般企業の正社員の様な仕事は任せにくいという背景もあります。
ちなみに、私の香港の知り合いの中にはワーキングホリデーで日系の会社でアルバイトをしていたら、総経理(香港現地法人の社長)に非常に気に入られてそのまま現地採用された人もいますが、レアケースだと思います。
ワーホリで語学は上達するか?
結局個人の頑張り次第
上記で述べたように仕事も結局日本人相手の接客業だったりすると、英語力はなかなか身に付きません。
滞在中は、アルバイトをしながら英語の語学学校に通ったり大学の語学授業を受講する人が多いと思いますが、人によっては【それって日本でもできるんじゃない?】というレベルだったりします。
現地の人と積極的に話して友達を作っていく または 現地人しかいない職場で働いてみる、現地人向けのサービス業で働くなどに挑戦すれば、語学力アップに繋がるかもしれません。結局は個人の頑張り次第です。
逆に、【1年間海外でガッツリ遊ぶ!】という目的でワーキングホリデーを楽しんでいる人もいます。また、日本人ばっかりとつるんでしまって、100%日本語で過ごして帰ってくる人もいます。
採用する側はワーホリ経験者をどう見るか?
ワーホリ?=遊びでしょ?の感覚
残念ながら、日系企業の場合は「ワーホリ≒遊び」として見らがちです。1年間のワーキングホリデーは、企業の採用者目線で言えば【1年間休みをとって海外でやりたい事をやってただけ】に過ぎないのです。
1年間の滞在中、いくらあなたが真面目に勉強して学校に通っていたとしてもあまりプラス評価の対象にはなりにくいです。
大手企業の場合、【TOEIC900点オーバー】とか、【留学経験あり】とか、【海外の大学卒業者】など、語学力に自信を持った人材が新卒で毎年たくさん応募してきます。
そんな中、海外勤務希望で「ワーキングホリデー経験ありまぁす!」とアピールして求職しても、全然立ち向かえません。書類でバッサリやられます。
中途採用者に企業が求める事
特に、中途採用の場合は【前職での経験】と【即戦力となるか?】が重要です。これは海外就職でも日本国内の就職でも同じです。
海外駐在要員や、現地採用候補であったとしても、中途採用には【即戦力となる経験を持った人材】または【専門性の高いスキルを持った人】を求めています。
また、外資系企業に入って海外で働く場合には極端な話【初日から与えられた役割を遂行する力】を求められます。Managerなら初日からManagementできる人間を求めているのです。
外資系企業の場合、特に【セクション・役職毎の役割】を重要視する傾向にあります。あと、初日から全然仕事なんか教えてくれません。(笑)受け身で仕事する人は外資系に向いていないです。
ワーキングホリデーは目的を明確に
意味を見失うと辛い
私の周りにも何人かワーキングホリデーで香港に来ている知り合いがいます。
香港は今、物価と地価の上昇により、食費と家賃が大変な事になっています。
ワーホリで来ていたある友人は、日本食のウエイターとして時給50HKDで働いていました。
今香港の1人暮らしアパートは6畳以下の狭いワンルームでも5000HKD~10000HKD/月かかります。時給50HKDでは最低限の暮らしもままならず大赤字です。彼も、ひたすらアルバイトばっかりしていました・・・
結局、「英語も上達しないしバイトは面倒だし友達も出来ない。金も無い。俺なんで香港にいるんだろう・・・」と言って少し早めに日本へ帰国してしまいました。
漠然とワーキングホリデーに語学力アップやキャリアアップを期待してしまうと、余計な職歴の空白期間を作ってしまうだけになってしまいます。それなら、最初からリフレッシュ目的で楽しく遊びまくったほうがいいかもしれません。
1年間海外であそびたい!とか、海外で暮らしてみたい!色んな人と英語でコミュニケーションしたい!という理由であればワーキングホリデーは素晴らしい制度だと思います。
まとめ
ワーキングホリデーは海外生活を経験するには手軽で魅力的な制度だと思います。しかし、このサイトでおすすめしている様な「駐在員として海外で働く」ことや、「外資系企業で海外で働く」といった、生活水準を落とすことなく海外でキャリアアップを図る働き方を目指すなら、ワーキングホリデーという選択肢では厳しいです。
まずは自分の今の仕事の経験やキャリア、語学力を客観的に見直した上で海外転職活動に挑戦してみてください。何事も第一歩から。始めてみなければ何も始まりません!
海外就職に興味のある方は、下記の記事で海外就職の進め方についてとおすすめの職種について徹底的にまとめましたので是非ご参照ください。