海外で働くサラリーマンには、大きく分けて3つの働き方があります。
今回は、外資系企業の現地採用という働き方に焦点を当てて詳しくご紹介いたします。
外資系企業の現地採用で働くメリット
実力勝負・給料は自分次第
外資系の企業で働く場合、日本の企業と比べて年齢制限なども厳しくありません。男女や年齢による差別は少ないです。
その代わり、【実力や能力】を求められます。
あなたを採用する事で、会社としてどの程度利益を生み出せるか?を重要視します。そして、日本企業に比べて結果を出す人材には見合った報酬(給料)を出してくれる傾向にある為、うまくいけば年収も大幅に上がるチャンスがあります。
また、その人にしかできない専門的な技術力などを持っている場合は非常に有利になります。
キャリアアップ
日系企業の現地採用経験と、外資企業の現地採用経験を比較すれば、キャリア的には外資系企業への就職の方が後々また転職する時などを考慮すると有利に働きます。
正直、日系企業によってまちまちですが、日系企業の駐在員経験は高評価でも、日系企業の現地採用の場合あまり評価されない事もあります。
(未だに、駐在員=偉い 現地採用=使いっぱしり)扱いの日本企業も多いのが現状です。
また、日本企業からはなれて海外の企業のルールで働くと、非常にいい経験になると思います。正直私は二度と日系企業に戻りたくないです。(笑)もちろん良し悪しありますが。
日本人駐在員がいない
基本的には外資系企業に転職して海外で働く場合は、日本人の存在はかなりレアケースです。駐在員の上司も、欧米系だったりします。
私の今努めている香港の会社は、ドイツが本社の外資系企業で、うちの香港ブランチのトップはドイツ人です。
日本人の駐在員上司がいる環境で働くと、どうしても日本的な仕事の進め方(サービス残業、休日出勤など)を押しつけられるので、海外で働いていても「なんで海外で働いているんだろう?」という気分になる時もあります。
その点、外資系企業で働けばそういった日本企業的なルールのごり押しは全くありません。駐在員時代、私は日本人との付き合いが本当に嫌だったのでこれは非常に大きなメリットです。
自主性や主体性、個人を尊重してくれる
ヨーロッパ系、北欧、北米の企業は比較的【仕事は仕事、プライベートはプライベート】で個人を尊重してくれます。
日本の企業で駐在員として海外で働いたりすると、飲み会→接待→飲み会→飲み会→休日ゴルフ! のように、完全にプライベートの時間が無くなってしまう人たちも多いです。日本にいた時よりも拘束時間が長い事もあります。
【駐在でいい給料貰ってるんだから日本にいる時よりも貢献しろ】の精神です。キツイ。
外資系の企業で働くと今までの常識や価値観をひっくり返すくらい環境が変わります。何よりも付き合いの飲み会が激減した事が私は一番嬉しいです。
外資系企業の現地採用で働くデメリット
必然的に、日系企業に比べて転職難易度が高い
そもそも、外資系企業が海外の拠点で【日本人を採用する理由は何か?】という事がキーポイントになります。
対日系企業との取引拡大などの日本人相手のビジネスを求められるパターンと、日本人とか関係なくスキルを買われて採用されるかのどちらかのパターンがありますが、後者の【日本人である必要が無い求人】で転職するのはなかなか難しいです。
専門的な分野に特化している場合などは、採用のチャンスもあります。
私の場合は、日本人相手のビジネスではありませんが、過去の経験がちょうど会社から求められているスキルとマッチした為、採用してもらえました。
英語はビジネスレベルが求められる
当たり前ですが、仕事は英語または現地語が必要です。それも、ビジネスレベルの英会話が要求されます。
TOEICで850点取っていても、会議で発言が出来ないような会話力であれば厳しいです。うちも毎週テレビ会議でドイツの本社と会議があります。(欧米人はテレビ会議的な事が好きな気がする。)
現地の言語も習得が必要
また、英語圏でない国で就職する場合、ビジネスは英語でも日常会話は現地の言葉と言うところがほとんどです。
私はいま香港の外資系企業で働いていますが、8割は香港人が働いている為、普通のオフィス内の会話も客先との電話なども全て広東語です。私や、ボスのドイツ人は広東語が喋れない為、英語で話をしています。
しかし、やはり現地スタッフとの距離を縮める為には現地の言葉を必死で覚えて話をする事が大切です。
解雇のリスクは日系企業より高い
外資系企業は、実力主義・成果主義のベースがある為、日系企業よりも簡単に社員を【クビ(解雇)】します。結果が残せないと年棒が翌年からガクッと下がったり解雇されたりのリスクは常に付きまといます。
また、会社自体の業績悪化によるリストラもドライに実行します。だから残業しなくていいし有給もちゃんと取れるけれど、【結果だけは】しっかり残さないとやっていけません。これは日本企業に長く務めている人にはストレスかもしれません。
欧州系の企業よりも北米の企業の方が解雇についてはキッパリバッサリやる印象が強いです。欧州系の企業はまだ、比較的守ってくれます。とはいえ、日本の企業に勤めている時よりは解雇のリスクは上がります。
日本で求人を見つけるのが大変
外資系企業の求人と言えば、普通に転職サイトやエージェントでたくさん取扱いがありますが、海外勤務の案件となると日本ではなかなか見つけにくいというデメリットもあります。
現地に数カ月暮らして仕事を探すという手もありますが、コネ無し情報なしで現地に行っても、ほとんど相手にされません。
後述のランスタッドとリクルートエージェントは外資系の海外勤務案件がかなり豊富です。
海外の会社に転職を検討する際は、なかなか現地の様子や会社のイメージが分かりにくいですし、手続きなども複雑な為、エージェントを利用するのが一番効率も良いです。
外資系企業の現地採用で働くには?
現地の求人サイトから求人を探す
行きたい国の求人サイトや求人業者を調べれば、インターネットでも比較的色々な求人情報が載っています。
ただし、エントリーシートや職務経歴書などのやりとり、面接のアポイントメントなども自力で行う必要がある為、日本国内から申し込むのはなかなか大変です。
求人の内容も、既に現地に住んでいる人向けの案件が多かったり、情報が少なかったりします。日本国内にいらっしゃる方が海外求人を探すという点では、参考程度にはなりますがあまりお勧めできません。
転職サイト/エージェントで外資系海外求人を探す
転職エージェントを活用する事が一番の近道
海外案件の求人は結論を言うと転職エージェントを利用することが一番有効です。
というのも、エージェント経由の非公開求人は比較的ハイレベルで高収入な募集が多いです。外資系の現地採用情報も豊富です。
どの転職エージェントを利用すればいい?
転職エージェントや転職サイトはたくさんありますが、海外求人を豊富に取り扱っている以下の2社がおすすめです。
- Randstad(ランスタッド)
- リクルートエージェント
ただし、海外転職に強いエージェントでも、それぞれ特徴や強みが違います。
自分の目的や理想に合わせて、最低2つはエージェントを利用する事が海外転職成功のカギ!
A:自分のキャリアやスキル、語学を活かしてハイレベルな海外転職をしたい人
【ランスタッド】+【リクルートエージェント】の2社がおすすめ。
B:職歴は浅くても海外就職に挑戦したい人
【リクルートエージェント】と【キャリトレ】がおすすめです。
リクルートエージェントは、日系駐在求人から現地採用求人まで幅広い海外求人を揃えている為、キャリアアドバイザーと相談しながら自分にあった海外求人を見つけることができます。
キャリトレはビズリーチが提供する、若い世代向けの転職サービス。スマホアプリで簡単に海外就職の求人リサーチができます。
C:海外求人や英語を生かせる求人を気軽にチェックしたい人
【キャリトレ】がおすすめです。
エージェントではなく、スマホアプリで自分にあった求人を毎日気軽にチェックできます。
若い人向けの求人が中心で、海外求人も職歴が浅くても応募しやすい求人を見つけることができます。
まとめ
海外で暮らしながら外資系の企業へ勤める事は、日系企業の駐在員等と比較すると安定感は無いかもしれません。
しかし、海外で外資系で働いた職歴があれば、後々のキャリアアップにも非常に貢献できます。
是非、興味のある方は失敗を恐れずに、自分の力が日本企業以外でも通用するのかどうかチャレンジしてみてください!