インドは日本と同じアジアの国家で、場所としては南アジアに属しています。あまり知られていないことですが、連邦共和制の国家です。
元来より政府や民間を含めて、親日的な傾向があるインドは、これからも日本との関係が更に深まり、日本人の需要も高まることが予想されています。
今回は、日系企業の進出が今後も注目されるインドの、就職事情に関してご説明します。
インドの基本情報
概要
インドはインド亜大陸にあり、首都はニューデリーです。首都はニューデリーですが、それ以上に大きな都市はいくつもあり、ムンバイやデリーは人口も多く経済の中心地です。
特にデリーは、人口1,100万人で世界的な都市の1つに数えられています。
全世界の中で最も人口が多い国が中国であることは有名ですが、2位はインドです。人口の増加率は凄まじいものがあり、2015年のデータでは13億1,000万人の国民がいるとされています。
広大な国土を有しているインドですが、パキスタンと中国との間に、カシミール地方という領土紛争を抱えています。バングラデシュとの間にも飛び地を抱えていましたが、2015年に領土交換を行い解決しました。
民族はインド・アーリヤ族が大半ですが、ドラビダ族やモンゴロイド族などもいます。移民国家ではなく、自国内で人口が増えている国家に分類されますが、多民族国家でもあります。
インドと言えばヒンドゥー教のイメージが強いですが、他の宗教も信仰されています。
割合としてはおよそ80%で、14%ほどがイスラム教徒です。その他には、キリスト教徒や仏教徒がいます。
人口が爆発的に増えている新興国の宿命ですが、識字率が低く2011年の国勢調査によれば73%です。およそ10人に3人は文字を読み書きすることができません。
ITと映画の国、インド
主要な産業は農業、工業、鉱業と非常に幅広く、イメージとしても定着しているのがIT産業です。インド人は数字に強いと言われており、IT産業に優秀な人材を輩出しています。
また、インドは映画産業が非常に盛んで、ハリウッドに追いつかんばかりの多くのスターを輩出しています。
インド映画、日本でもじわじわと注目されてきていますよね。
主要な貿易相手国は輸出の場合上位からアメリカ、UAE、香港、中国、イギリスです。輸入は中国、アメリカ、サウジアラビア、UAE、スイスの順です。日本に関しては、輸出入共に第11位となっています。
在留邦人は2015年の段階で8,600人程度ですが、これから増えることが予想されます。在日インド人は28,000名程度で、IT産業に強い人材が多いことから、こちらも増えることが予想されています。
GDPの伸び率を見てみると、世界の中でも稀に見るほどの伸び方を見せています。購買力も高まっていますので、これから先日本の製品が販売される機会も増えることは確実です。
インドの気温や地理
インドはアジアの国家ですがそれほど南部にある訳ではなく、赤道周辺の東南アジア国家よりは、気温は低めです。
また、大きな国土を有していますので、都市によってかなりの温度差があります。全体的には、4月から5月は暑季、6月から10月は雨季、11月から3月は乾季です。
北部にあるデリーは日本と似ている部分があり、冬になると寒くなり夏になるとかなり暑くなります。乾季は最高気温が20度をやや上回る程度の気温なので、日本で言う春や秋の服装が好ましいです。
それが南部の都市になると、最低気温が低くて20度程度になりますので、日本で言う夏用の服装で構いません。冷え性の人は、冷房が効いていることがありますので、羽織るものを用意しましょう。
インドの物価
インドの物価は、世界でもトップレベルに安いと言われています。特に食料品が安く、野菜や果物などは市場に行くと、キロ単位で売っていることもあります。
日本では比較的高価なマンゴーも20円程度、バナナ1本は10円以下、たまねぎは1キロで100円もしません。
加工食品も安く、水は1リットル30円以下で購入することができます。インスタントのラーメンは、1つ30円以下です。
外食も非常に安く、通常のカレー定食なら100円以下で食事を済ませることができます。屋台のチャイは10円程度で飲むことができます。
その反面、インド国内のチェーン店でのカフェだとコーヒー1杯で140円程度、スターバックスだと1杯250円ほどします。
交通費も格段に安く、市バスなら90円程度、長距離バスでも300円以下で乗車することができます。リクシャーやタクシーは、150円から350円程度です。
経済の中心地であるムンバイやデリーでも、月の家賃は10,000円から20,000円ほどです。家賃も安いですが、現在のインドは経済成長が進んでおり、年々家賃が高騰しています。
インドの言語
インドの国土はかなり広大ですので、様々な言語が使用されています。インドの憲法においては、公用語はヒンディー語と決められています。その他には、憲法で認められている21の言語があります。
公用語はヒンディー語ではありますが、この言語を話すことができるのは30%ほどと言われており、それほど多い割合ではありません。
ビジネスは英語を使用する
ビジネスで重要な英語ですが、インドはイギリスの植民地であった歴史がありますので、政府含めて英語を使用されることが多々あります。
一流ホテルやレストランでは英語で会話することができることが多いですが、一般的なショップやレストランでは難しいです。
インドの治安
インドは経済的に急成長を遂げていますが、社会情勢は安定しているとは言い難い状況です。多民族、宗教間の対立などから、テロ事件が発生しています。
テロの被害を完全に防止することは現実的には難しいですが、人が集まるところに行くときは危機感を持つことが大切です。
特にカシミール地方は、パキスタンと領土紛争が起こっている地域です。紛争地帯でもありますので、立ち入るのは必ず止めておきましょう。
インド全土を見ても、日本と同じ程度の治安が保たれているとは決して言えません。外務省から注意が促されることが多く、様々な日本人含める外国人が多種多様の犯罪に遭遇しています。
新興国では多いスリやひったくりはもちろんのこと、女性に対する性犯罪が多いのも特徴です。
女性は一人での行動を避けるようにして、肌を露出しない服装が好ましいです。タクシーのボッタクリも多く、正規な場所以外でのタクシーの利用は止めておきましょう。
インドで暮らす際に大切なことは、常に防犯意識を持ち続けるということです。むやみに夜間外出を行わない、荷物から目を離さないようにする、親交のないインド人の自宅には行かないなどが大切です。
インド人の仕事ぶり
新興国に多いことですが、街中にある会社やショップの仕事ぶりは決して良いとは言えません。接客なども悪いですが、合わないと思えばすぐに辞めてしまうこともあります。
その反面、エリート層と一般的な層の間には、労働の質に差がかなりあります。エリート層の仕事ぶりは素晴らしく、海外に出て一流企業に勤めている人もいます。
インド人の人柄
良くインド人の人柄を表す時に言われるのが、【インド人は嘘をつくことが多い】という事です。
往々にしてその場限りの適当な言い訳をすることがあります。「途中で人が倒れていたので看病していた」「動物に道路を塞がれたので立ち往生していた」など、自身の責任を回避するために適当な嘘をつきます。
そのことを指摘して反論できなくなると、そのまま泣き出してしまうような人もいます。(大人でも)
性格はポジティブな人が多く、褒めると素直に従いモチベーションをアップさせることも多々あります。根はまじめな人が多いですが、カースト制度の影響か権威的なものに弱いです。男尊女卑な傾向があり、女性の権利も少なく男性には従順です。
インドの就労ビザ取得条件
シンガポールや香港、北米、欧州などの先進国として比較して、就労ビザの取得条件はそこまで厳しくありません。
学歴やマネジメント経験が必須というわけでなく、前職またはインドでの雇用先からの推薦状や自分の事についての職務経歴書などをきっちりそろえて申請すれば、決して就労ビザが通らないという事はなさそうです。
インドの就労ビザ申請を代行してくれる業者もたくさんありますし、自力で申請もそこまで難易度が高いわけでもありません(非常に面倒ではありますが)
下記のサイトで、インドの就労ビザの取得方法についてものすごく具体的に紹介されていましたので、気になる方は参考にしてみてください。
インド求人の状況
インドは場所によってはまだまだインフラも整っておらず、日本人が暮らしながら働くには他の先進国と比較してハードルが高めです。
逆に言えば、だからこそ、良質な駐在員求人や待遇の良い現地採用の求人の競争率がまだまだ低く、挑戦する価値がおおいにあります。
具体的には、駐在員候補の転職活動、若手を中心とした現地採用、なかには新卒就職など様々な求人が出ています。
現地採用と駐在員採用についてそれぞれフォーカスをあててご紹介します。
現地採用
ITエンジニアや、自動車産業の進出が特に多いインド、営業マンやエンジニアの求人が定期的に出るようになってきました。
自動車メーカーの大手が進出すれば、それに追随して部品メーカー、部品商社なども後を追う為、一般的なメーカーでの経験者や、商社での営業経験者は求人条件に当てはまりやすいです。
また、他の日本人が多いアジアの国々のような日本人向けサービス業の求人は今のところほとんどありませんが、在留日本人が増えていけば需要が出てくるので、今後に期待できます。
日系駐在員
日系企業のインド求人でも、駐在員待遇を受けられる募集は定期的に出てきます。特に、自動車メーカー大手の製造業も進出しているため、製造業経験者も求人を見つけやすいです。
また、インドは途上国扱いで、駐在員の手当てもかなり手厚いと言われています。
高級なセキュリティのしっかりしたタワーマンションなどに住むのが一般的です。
ただし、それでも水が口に入るとすぐにお腹を壊すレベルだそうですが・・・私の昔いた会社は、インド進出を検討して何度も重役がインドへリサーチに行きましたが、かなりタフな人でないと衛生的にもキツイという事で進出を諦めていました。
(先ほど見たら、去年無事にインドに法人を構えてました 笑)
個人的には、日系駐在員採用の仕事を優先的に探す事をおすすめします。(手当や給与が全然現地採用とは違いますので)
駐在員待遇を狙おう
特に日系の現地採用の場合、家賃手当なし、給料安い、仕事はキツイの三拍子が揃う事があり、インドのように比較的物価が安い国とはいえ、待遇や給料が安ければストレスが溜まります。
もちろん、現地採用でも良い職場はたくさんあると思いますが、高待遇の求人を見逃さないようにする事、特に『家賃補助の有無』を確認する事が非常に大切です。
インド就職の進め方
では具体的に、インドへの海外転職を進めていくにはどうしたらよいでしょうか?海外求人、特に駐在員求人は高待遇な求人が多い為、狙っている人が多い事も事実です。
一度でも転職サイトで海外求人を探した事がある方なら分かるかと思いますが、人気の無い待遇の良くない求人ばかり残っていませんでしたか?
良い求人はすぐ応募が殺到します。万人にオープンになっている求人で、良い条件の職に出会えるチャンスがかなり低いです。
非公開求人をチェックする
良い求人を探す時のポイントは【非公開求人で優先的にオファーを貰う事】です。一般的な転職サイトの公開求人よりも質の高い求人を紹介してもらえるチャンスが非常に増えます。
個人的には【海外転職に強い大手転職エージェント】+【現地密着型のエージェント】の両方に登録してオファーを待つのがおススメです。現地密着型と大手エージェントをおさえておけば、かなり広範囲に求人をカバーできます。
海外就職に強い転職エージェントは、求人件数が圧倒的に多いランスタッドと、国内最大手のリクルートエージェントの2つをおさえておけば間違いないです。
インドの現地密着型エージェントは、MISAO RECRUITINGなどが有名です。情報収集、現地での仕事での給料相場などをチェックするにはぴったりだと思います。
ただし、現地採用求人が多いため、リクルートエージェントやJACリクルートメントなどの大手転職エージェントも並行して利用することをお勧めします。
インド密着型のエージェント
海外就職に強い転職エージェント
海外転職はエージェントを活用しよう!
駐在員候補や、外資系海外転職のハイレベルな求人は転職エージェントの非公開求人から探すのが一番です。
転職エージェントから紹介してもらえる非公開の海外求人は、ネット上で誰でも見れる求人よりも、待遇も仕事の濃さも段違いです。
海外求人に強い転職エージェントに登録して、【質の良い海外求人情報を誰よりも早く入手する事】が海外転職活動では非常に重要です。
どの転職エージェントを利用すればいい?
転職エージェントや転職サイトはたくさんありますが、海外求人を豊富に取り扱っている以下の2社がおすすめです。
- Randstad(ランスタッド)
- リクルートエージェント
ただし、海外転職に強いエージェントでも、それぞれ特徴や強みが違います。
自分の目的や理想に合わせて、最低2つはエージェントを利用する事が海外転職成功のカギ!
A:自分のキャリアやスキル、語学を活かしてハイレベルな海外転職をしたい人
【ランスタッド】+【リクルートエージェント】の2社がおすすめ。
B:職歴は浅くても海外就職に挑戦したい人
【リクルートエージェント】と【キャリトレ】がおすすめです。
リクルートエージェントは、日系駐在求人から現地採用求人まで幅広い海外求人を揃えている為、キャリアアドバイザーと相談しながら自分にあった海外求人を見つけることができます。
キャリトレはビズリーチが提供する、若い世代向けの転職サービス。スマホアプリで簡単に海外就職の求人リサーチができます。
C:海外求人や英語を生かせる求人を気軽にチェックしたい人
【キャリトレ】がおすすめです。
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若い人向けの求人が中心で、海外求人も職歴が浅くても応募しやすい求人を見つけることができます。
まとめ
インドは、生活面や衛生的にはまだまだハードルが高いかもしれません。
しかし、中心部はすさまじい勢いで発展していますし、魅力も様々ある国です。
インド就職を目指して転職活動を進めるなら、『インド密着型エージェント』と『海外就職に強い大手エージェント』
最低それぞれ1社ずつは登録して進める事で、高待遇の求人を見逃すことなく進める事が出来ると思います。
あなたのキャリアやタイプ、理想の海外就職先に合わせて、転職エージェントも賢く使いこなしましょう!