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日系企業の現地採用として海外で働くメリットとデメリット

投稿日:2019年4月3日 更新日:

海外で働くサラリーマンには、大きく分けて3つの働き方があります。

今回は、日系企業現地法人の現地採用という働き方に焦点を当てて詳しくご紹介いたします。

 

正直おすすめできない日系現地採用

先に結論を申し上げます。

現地採用で働く場合は、日系企業は極力避けて外資系企業を狙ったほうがいいです。というのも、日系企業の現地採用は駐在員との格差問題など色々と大変な事が多いです。

 

 

現地採用で働くメリット

駐在員と比べて自由

何といっても、駐在員と比較した場合に自由です。途中で転勤や日本に帰国させられることもありません。

また、現地スタッフと一緒に有休消化をフルで使ってみたり定時で帰っても、『まぁ現採だからこんなもんか』と思われる程度です。

(つまり、極論を言えば現地採用に誰も期待なんてしていないのです。)

 

好きな国で働ける

駐在員の場合は、

上司・人事【おい、お前来月からパキスタンな】
私【はい!喜んで!】

の状態です。たとえ自分が北米やヨーロッパで働きたいと思っていても東南アジアへ飛ばされたり中国に飛ばされる事は日常茶飯事。

もちろん、海外赴任については本人にも拒否権がありますが、断った場合、別の人間が駐在員になり偉くなっていくのを指をくわえて見ているのも嫌だし、転勤辞令を断ると多かれ少なかれ今後のキャリアに支障が出る場合があります。

その為、私が勤めていた会社ではほとんどの人が辞令通りに海外へ赴任していきました。

(定期的に、【海外で働きたいか否か?】は希望を聞かれる事はあっても、【どの国で働きたいか?】はほとんど希望が通らない企業が多い)

 

好きなだけ、その国で暮らせる

例えば駐在員として3年ほど海外で暮らして、色々と友人も増え、楽しくなってきたとしても帰任辞令が出れば日本へ戻らなければなりません。

現地採用で働く場合は、その国で採用される事となる為自分の好きなだけその国で暮らす事が出来ます。(解雇されたら話は別)

 

キャリアアップ

海外での勤務経験があれば、転職を考慮する際にも有利に働く事が多いです。

しかし、駐在員経験アリと現地採用経験アリでは差が出てきます。

駐在員経験は、【駐在員に選ばれる程度に前職で評価が高かった】事の裏付けとなる為、職務経歴書に書くメリットがあります。しかし現地採用の場合は、特にそのようなアドバンテージがあるわけではありません。

しかし【海外で働くレベルの語学力】などは普通の日本でしか働いていない人よりもプラスに見てもらえるでしょう。

日本語ではなく英語(または中国語とか)を使って毎日仕事をするという経験は、日本で暮らしているとなかなか得難いです。

 

 

日系現地採用で働くデメリット

駐在員との格差

まず、日系企業の海外法人に現地採用で就職した場合に必ず付きまとうのが【駐在員の存在】です。

少し偏った言い方をしますが、私の経験上、駐在員と現地採用の間には大きな溝があります。まずは客観的に駐在員と現地採用の違いについてご紹介します。

 

給料が低め

駐在員と比較した場合、現地採用の方が給料は絶対少ないです。

現地採用はその名の通り現地の法人で採用されますので、日本人だろうが何人だろうがローカルスタッフの給料を貰うことになります。

ヨーロッパや北米などの比較的賃金の高い国で働く場合はローカルスタッフの給料も良いですが、それでも駐在員との給与差は明確です。

アジアの特に途上国においては、その傾向がより顕著です。

私はタイと香港で日系企業の駐在員経験がありますが、ローカル社員の一番上(シニアマネージャー 48歳)よりも、25歳駐在員(役職無し)の私の方が給料は多かったです。

香港の様に物価や家賃がものすごく高い国でも、状況は一緒でした。ローカル平社員と、駐在員のトップでは4~5倍は給料が違いました。

 

手当がつかない

駐在員と現地採用では手当が全然違います。

(駐在員の手当てについては駐在員のメリット・デメリットをご参照ください)

特に現地採用は家賃手当が少ないまたは存在しない為、ほぼ家賃全額負担の駐在員と大きく手取りに差が開きます。

また、病院の医療費負担も無いし、語学研修も自分のお金でやらなければなりません。

 

雇用保険や年金の問題

日本を離れて海外で暮らすと、年金は強制から任意加入に変わります。(日本から住民票を抜いた場合)

現地採用の場合は日本にいない間の国民年金を免除や追納手続きが必要です。

そうしないと定年後に満額受け取る事ができません。海外就職と年金問題は複雑な為、別途まとめましたのでご参照下さい↓

>>海外で働く場合の年金、保険などについて

 

駐在員にこき使われる

何故私が日系企業の現地採用をおすすめしないかと言うと、日系企業の海外法人はほぼ間違いなく【トップが駐在員】だからです。そして駐在員は数年単位でコロコロ変わります。

嫌な上司に当たってしまうと、現地採用の日本人は【駐在員のパシり】の様に扱われます。私が知っている範囲だと、

  • 秘書の様に常に同行させて通訳など全部やらせる
  • 現地スタッフに言いにくい事を全部言わされる
  • 面倒な案件は全部押しつけてくる
  • 休日も買い物の付き添いや奥さんの送り迎えまでやらされる
  • サービス残業を平気で押しつける

・・・・挙げていくときりがありませんが、駐在員によっては現地採用を心底見下している人もいます。

また、ローカルスタッフに強く言えない分全部日本人の現地採用にぶつけてきたりする人もいます。

ローカルスタッフが定時で帰って有給ばっちり取得しているのを横目に帰らせてもらえない・休ませてもらえないなど。日本企業的なルールをごり押しされてしまうと非常に辛いです。

もちろん、ローカルスタッフと同じように働ける場合もあります。こればっかりはボスとして赴任してくる駐在員次第かもしれません。

 

出世の限界が見える

偉くなれないのもモチベーション低下に繋がりますね。

どんなに頑張って結果を残しても、トップは絶対に日本人駐在員という企業が多いです。

現地社員をトップに置くような施策を進めている日系企業もありますが、業種によってはどうしても日本人がトップでなければならないものもあります。

特に海外でも日系企業を顧客がメインの場合は、結局は日本人同士の付き合いや交渉が必要になります。

 

 

日系企業の海外法人で現地採用で働くには?

今働いている会社の現地法人転籍を打診する

今働いている会社の現地法人へ移籍したい!

という希望を出す事も選択肢の一つ。駐在員でもなく年収ダウンしてまでそんな事する?と思われる方もいらっしゃると思いますが、実際にあります。

昔私が働いていた会社で、フィリピンパブで出会って結婚した上司がいて、どうしても家族とフィリピンに戻って暮らしたいと言う事を会社に相談し、結果的にフィリピンの現地法人で採用されました。

また、以前中国駐在で、現地で結婚した為にそのまま現地法人へ転籍した人もいます。 人生、何があるか分かりませんね。

 

日本の転職サイト/エージェントで求人を探す

現地採用の求人を出している会社に転職することが一番確実。

求人内容と自分の希望がマッチして採用してもらえれば一番効率もよく、思い入れのある国や行きたい国に行けるチャンスが大きいです。

また、日系企業の現地採用の場合は、面接は日本の本社で行った後、現地へ派遣される事もあるので転職活動は比較的容易に行えます。

また、海外現地採用は【専門的なスキルに特化した人】については報酬が高くなる場合が多いです。

例えば、海外の新興国に工場立ち上げ、技術支援ができるメーカー経験がある人や、貿易・輸出入に精通している人、現地の言語や商習慣に精通している人など。

現地採用の就職活動を行う場合はある程度のスキルや資格があった方が有利に転職活動を進めることができるでしょう。英語のレベルでいうと、TOEIC850点以上でビジネスレベルの英会話ができる などなど。

基本的に転職は【即戦力】が求められていますし、現地法人で新人教育やOJTがしっかりしている所は少ないと思います。

もちろん、転職求人によっては英語未経験でも経理の実務経験があればOK。などの求人もあります。

私が住んでいる香港では日本食が流行っている為、すし職人やラーメン屋の現地採用も盛んです。こういった仕事も、【語学力不問】のひとつですね。

 

現地の求人サイトから求人を探す

国ごとに特化した日本人向けの求人サイトがあったりします。どちらかというと、既に海外に暮らしている人が現地で就職先を見つける時によく利用します。

今あなたが日本にいて、海外就職を検討されているのであればまずは国内の転職エージェント等を頼ったほうが、より良い求人を見つける事が出来ると思います。

 

 

海外現地採用の求人を見つける方法

その前に!どの国へ、何故行きたいのか?という自分の意思を明確化してみてください。

日系企業の現地採用は、上記で挙げた通り駐在員と違い色々とデメリットも多いです。

また、海外で働く!と言っても日本人のお客様対応がほとんどで使う言語も日本語ばっかりという事もあります。

もしあなたが、海外のある国にどうしても暮らしたい!という事がメインであれば、現地採用でもいいかもしれません。

しかし、日系企業の現地採用で駐在員にこき使われて、生活ギリギリの給料で暮らすようでは何のために海外に出たのか分かりません。

同じ現地採用でも外資系企業の方が日系企業よりは給料が高い傾向にあります。また、外資系企業で海外勤務であればキャリアアップにもより有効的ではないでしょうか。

日系の現地採用を検討されている方は、外資系や駐在案件も併せてチェックし、自分のライフスタイルに合いそうな求人を探してみてください。

 

転職エージェントを活用する事が一番の近道

転職エージェントや転職サイトはたくさんありますが、海外求人を豊富に取り扱っている以下の2社がおすすめです。

  • Randstad(ランスタッド)
  • リクルートエージェント

ただし、海外転職に強いエージェントでも、それぞれ特徴や強みが違います。

自分の目的や理想に合わせて、最低2つはエージェントを利用する事が海外転職成功のカギ!

 

A:自分のキャリアやスキル、語学を活かしてハイレベルな海外転職をしたい人

【ランスタッド】+【リクルートエージェント】の2社がおすすめ。

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B:職歴は浅くても海外就職に挑戦したい人

【リクルートエージェント】と【キャリトレ】がおすすめです。

リクルートエージェントは、日系駐在求人から現地採用求人まで幅広い海外求人を揃えている為、キャリアアドバイザーと相談しながら自分にあった海外求人を見つけることができます。

キャリトレはビズリーチが提供する、若い世代向けの転職サービス。スマホアプリで簡単に海外就職の求人リサーチができます。

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C:海外求人や英語を生かせる求人を気軽にチェックしたい人

【キャリトレ】がおすすめです。

エージェントではなく、スマホアプリで自分にあった求人を毎日気軽にチェックできます。

若い人向けの求人が中心で、海外求人も職歴が浅くても応募しやすい求人を見つけることができます。

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現地採用の求人を探すなら、リクルートエージェント+キャリトレの2社に登録して転職活動をするのがおススメです。

しかし、今までのスキルや経験を活かして待遇の良い駐在員求人や、外資系求人も挑戦したい!というかたは、ランスタッドの登録も強くおすすめします。

 

 

まとめ

現地採用は、駐在員採用や外資系と比較すると、お給料や手当などで格差を感じたり暮らしにくく感じてしまう事もあるかもしれません。

しかし、あなたが海外で、どのようなライフスタイルで仕事とかかわっていきたいか?によっては、現地採用もメリットがたくさんあります。

できれば、最初からあまり可能性を狭めずに、【駐在員求人】【外資系求人】も是非チャレンジしてみる事をおすすめします!

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