北欧とは、ヨーロッパの中でも北に位置している国々のことを指します。
具体的には、北欧理事会加盟国の「スウェーデン」「デンマーク」「ノルウェー」「フィンランド」「アイスランド」の5ヶ国に加えて「グリーンランド」「フェロー諸島」「オーランド諸島」を含めた3地域で北欧と呼ばれます。
今回は、世界的な企業も多数ある北欧についての、就職の進め方や情報について詳しくご紹介します。
北欧諸国の基本情報
北欧5カ国のスウェーデン、フィンランド、デンマーク、ノルウェー、アイスランドの概要を簡単にご紹介します。
概要
スウェーデン
スウェーデンは、北ヨーロッパにあるスカンディナヴィア半島にある国家です。著名なのはノーベル賞で、スウェーデンで選考が行われています。
宗教は福音ルーテル派が多数を占めています。全体的な人口は約988万人で、首都のストックホルムは市人口が約93万人、都市圏は約223万人です。
名目GDPの推移を見てみると、右肩上がりに成長しています。しかし、2015年の失業率は7.4%で、若干高い数値なのが気がかりです。主要な貿易相手国は、同じヨーロッパのドイツやノルウェーです。
デンマーク
デンマークは、北ヨーロッパにあるバルト海と北海に挟まれており、ユトランド半島と近辺にある島からなる国家です。国土としては、それほど大きくはありません。
デンマークも、福音ルーテル派が国教になっています。人口は約570万人で、首都はコペンハーゲンです。名目GDPを見ると、緩やかに上昇しています。
輸出が好調なのが特徴で、日本に対しての割合は1.8%です。最も大きな輸出国はドイツで、17.7%を占めています。
ノルウェー
ノルウェーは、スウェーデンと同じくスカンディアビア半島にあります。海に面していますので、海洋国家として名高いです。
国土面積は意外と広く、日本とほぼ同じ程度の広さを有しています。人口は521万人ほどで、首都はオスロにあります。他の北欧諸国と同じように、福音ルーテル派が主な宗教です。
名目GDPは、2013年ころから横ばいになっており、頭打ち状態になっています。主要貿易品目は、原油や生気湯製品に並んで、海洋国家らしい水産物があります。
フィンランドは、西にスウェーデン、北にノルウェー、東はロシアと接しています。何と言っても、ノキアという世界規模の大企業本社があることで有名です。
宗教に関しては、福音ルーテル教と正教会を国教にしています。人口は約549万人で、首都はヘルシンキです。
名目GDPは、激しく上がっている訳ではありませんが、堅調な伸びを見せています。失業率が10%近くあり、これが懸念材料です。日本との経済関係は、日本側の輸入が多い状態が続いています。主な輸入品は、木材や紙類、電気機器などです。
アイスランド
最後に紹介するアイスランドは、日本と同じような島国です。2008年の経済危機の際には、債務不履行状態になってしまいました。
人口の約8割が、国教でもある福音ルーテル派を信仰しています。人口は少なく、2016年時点で約33万人です。
経済危機の印象が強いアイスランドですが、名目GDPを見ると2008年ごろにブレーキがかかりましたが、その後は再び大きな伸びを見せています。失業率も4%以下と低い水準ですので、安定した経済状態であると言えます。
北欧の気温や地理
北欧と言えば寒いイメージを持たれることが多いのですが、実はメキシコ暖流の影響によって、冬でも比較的温暖な気候です。夏は太陽が出ている時間が長くなるので、一日中太陽が沈まないこともあります。
年間を通しての温度の変化は、平均には差がありますが東京と同じような変化です。夏になると暖かくなり、冬になると寒くなります。
10月から3月にかけては、オーロラを見ることができるようになります。8月9月は意外と日差しが強くなるので、半袖で過ごすこともできます。冬になると一気に温度が低くなりますので、十分な防寒着が必要です。温度の変化は、北海道をイメージすると分かりやすいでしょう。
北欧の物価
北欧の物価は、社会保障がしっかりしている分税金が高いので、日本に比べると高く感じることが多いです。通過はユーロですので、どの国家に行ってもユーロに換金しておけば、ショッピングや食事を楽しむことができます。
食事に関しても、昼食は1,000円から3,000円、夕食は3,000円から5,000円ほど必要になってしまいます。アルコールや外食は、日本と比較するとかなり高くなっています。コーラを購入しようとすると、1本300円程度支払わなければなりません。
また、交通費も高く、地下鉄やバスの初乗り料金は500円程度必要になります。
家賃も当然高く、東京と比較してもかなり高いです。1LDKでも、1月10万円を超えることは当たり前と考えておきましょう。
北欧の言語
北欧は各国オリジナルの言語が話されており、ノルウェーはノルウェー語、デンマークはデンマーク語、スウェーデンはスウェーデン語、フィンランドはフィンランド語です、アイスランドはアイスランド語です。
ただし、隣接している国家同士では、他国の言語が通じることもあります。また、ビジネスの場では英語が使用されることも多々あります。
北欧の治安
北欧は、日本と比較しても比較的治安は良いとされています。ただし、観光地や空港では、スリや置き引きが発生するので、貴重品の取扱には注意しなければなりません。
深夜の外出なども、他の外国と同じように十分注意しなければなりません。外国人が重大な犯罪に巻き込まれるケースは少なく、注意していれば心配することはありません。
北欧人の仕事ぶり
北欧人は効率良く働くことを重視しており、勤務態度は概ね良好です。立って仕事をすることが多く、オフィスであってもスタンディングスタイルデスクと呼ばれる形で仕事をしています。
日本人の仕事ぶりは真面目ですが、残業をダラダラと行ってしまう習慣があります。北欧人はそのようなことはなく、テキパキと働いているので、世界的に見ても労働の質はかなり高いです。
北欧人の人柄
寒い地域の国家に多いのが、南国に比べて控えめだということです。北欧人も、自分から積極的に喋るのではなく、感情表現が弱いシャイな人が多いです。
感情が少ないと言われるイギリス人よりも、感情表現が少ないと言われています。シャイではありますが、意思がはっきりしていないという訳ではなく、イエスとノーはしっかりと答えます。
物価が高いこともあり、浪費することもなく質素な生活を営んでいる家庭が多いです。若い年齢でも見た目や喋り方含めて大人びており、丁寧かつしっかりとした話し方をしています。
北欧諸国の求人の状況
北欧諸国は世界的にも有名な企業(ノキアやイケアなど)がありますが、日本人向けの求人は非常に少なく、狭き門となっているのが現状です。
観光業(日本人観光客向け)のツアーコンダクターなどもたまに求人が出ます。
ただ、観光と言っても、オーロラ鑑賞のツアーがメインである為、冬季限定で駐在員を派遣するような会社も多いようです。また、現地語でのコミュニケーションも必要となります。
IT関係、Webデザイン等の仕事は日本人も活躍しています。こちらは、英語中心のコミュニケーションとなる為、スキルを活かせれば北欧諸国でも働く事が可能です。
北欧専門の日本人向け求人サイトが無い
アメリカやアジア各国の日本人が多く働いている国では、現地密着型の日本人向け転職エージェント等がいる為、比較的求人情報を集めやすいのです。
しかし、北欧諸国においてはそもそも日本人向け求人自体がかなり少ない為、専門の転職サイト等がありません。
その為、現地向けの転職サイト(英語・現地語)で職を探すか、海外求人に強い大手転職エージェント(リクルートエージェントやランスタッドなど)で北欧勤務の希望を伝え、オファーを待つスタイルになります。
まとめ
今のところ、北欧諸国への就職、そもそも日本人向けの求人をネット上から探すのはなかなか大変です。
ただ、リクルートエージェントやランスタッド等、海外就職希望者を数多く転職成功させてきた海外就職に強いエージェントは、もちろん北欧就職の実績もありますし、最新の求人事情等を持っています。
また、他のヨーロッパ諸国の求人も定期的に非公開求人として持っている為、一度上記2社のエージェントに登録して、キャリアアドバイザーと面談して最新の状況や今後の転職活動の進め方についてよく相談してみる事をおすすめします。