海外で働きたい!と思っている方はたくさんいらっしゃると思いますが、実際に海外で暮らしながら仕事をするという事は日本で暮らして日本で働く事とは大きく違います。
駐在員が海外勤務でうつ病にかかってしまう確率は日本にいる時の3倍と言われており、想像以上のストレスがかかるという事が分かります。
では、どのような人が海外での就職に向いているのでしょうか?
今回は、具体的なスキル(英語力や経験)等は抜きにして、海外で働く人の心得などをご紹介していきます。
明確なキャリアビジョンや動機がある人
海外で働く事に興味を持って始める時に、まず【今後の人生やキャリア】について一度考える事が大切です。
海外就職というのは、日本国籍があって日本で働く事ができるのに、わざわざ異国の地で暮らしながら働くと言う事。
つまり、ある程度明確な理由が無いと、途中で自分の今後の行く末を見失ってしまう事もあります。
駐在員として海外辞令を受けて、海外で働く場合はいつかは日本に戻る事が決まっていますが、自分の意思で海外で働いた場合、極端な話その国に骨を埋めるという選択肢もあるのです。
まず、何の為に海外で働くか?を考えて見てください。
例えば・・・・
- 海外勤務を経験する事で最終的にもっといい会社に就職したい
- 外資系でバリバリ働いてとにかく給料を上げたい
- 大好きな国があって、そこで暮らしながら働きたい
- 世界に出て大きな仕事をしたい
- 日本企業のガチガチなルールが馴染まない
- 早期定年してゆっくり働きたい(セミリタイア)
- 緩い国でゆるく働きたい
などなど。人それぞれ色々理由はあると思いますが、やはりキャリアアップを狙った場合は、駐在員候補や外資系の現地採用がよいと思います。
ちなみに私が香港で再就職した動機は・・・
- 外資系で働いて金をたくさん稼ぎたい
- 英語力をもっと上げたい
- 中国語も身につけたい
- 日系駐在員経験で、日本企業に少しうんざり
- 香港が好き
- せっかく働くなら勉強になる仕事がしたい!
という理由です。
英語がビジネスレベルまで上がって、中国語(普通話)が日常会話くらいできるようになったら、かなり便利。そして駐在経験と海外勤務経験まであれば食いっぱぐれる事は無いかなーというような考えで香港の外資企業就職を決意しました。
また、なによりも香港の空気感が好きです。ゴチャゴチャしてて。
自分の意見をはっきり持っている人
日本の企業では未だにイエスマンが重宝されますが、海外で働く場合は【お互いの主張のぶつけ合い】です。
ちゃんと自分の意思を持って主張しなければ損をするし相手から軽く見られてしまう恐れもあります。とくに欧米系の企業ではこの傾向が顕著です。
自分の頭で考えて、言葉に発して、相手に伝えて、納得させる。
当たり前のようで、意外と日本企業に勤めていると身についていない人も多いのではないでしょうか。
ポジティブ、楽観的な人
とにかく、ネアカな人の方が海外生活も外資企業もやっていけると思います。外資企業は日本に比べてドライだとよく言われますが、社内の友好関係構築は必須です。むしろ日本企業よりも社内関係は重要な気がします。
結局、日本企業よりもリストラのハードルが低い為、孤立して黙々と仕事をしていると、結果が出ている時は問題ありませんが何かあった時、業績が落ちた時、失態を犯した時に誰もフォローしてくれません。
特に上司と仲良くすれば守ってもらえる確率が上がります。
アメリカ人がやたら会社の人を呼んでホームパーティを頻繁に行うのも、こういった人脈作りに対する意識が高さから来る文化との説もあります。
また、外国で暮らすという事は小さなストレスがたくさんあります。飯がまずい。物価が高い。言葉が通じない。会社の同僚と壁がある・・・
細かい事にいちいち悩んでいると、海外で特に1人で暮らしていると心を病みやすいです。楽観的に明るく過ごす事が海外生活でうまくやってくポイントです。
私の場合、日本にいる時はネクラでしたが、海外勤務でコミュニケーションをガンガンとらないと仕事にならない為、いつのまにか明るくなりました 笑
健康な人
当然ですが、大事です。海外では日本の様な保険負担が無い国も多く、自分で医療保険に入る必要があります。また、私立の病院にいくとものすごく高額な医療費請求をされる事があり、大変です。
私も、タイ・ドイツ・香港駐在員時代は会社負担の保険で医療費はタダでしたが、歯医者は保険適用外でした。虫歯が悪化し、神経を抜く治療を香港で受けた時に総額で30万円程かかりました。
せっかく海外の就職に成功しても身体を壊してしまうとその国に居続けるのは難しくなります。医療費も高いし、雇用の継続がされるかもわかりません。健康第一でタフな海外生活を乗り切れる人が海外就職に向いています。
積極的にコミュニケーションがとれる人
コミュニケーションは特に大事ですが、特に現地の人間とのコミュニケーションを重視しましょう。駐在員でありがちなのが、日本人同士で固まっていつも群れているような人達。
せっかく海外で働いているのにもったいないですし、できるだけ海外の文化や人に触れて吸収できるものは吸収したほうが楽しく海外で働けます。
また、現地のスタッフの上に立つ場合(Manager職)、相手の国の文化に入っていく姿勢を見せないと、いつまでも外国人扱いで距離が縮まりません。
香港人の同僚達は、最初とても冷たかったです。しかし必死で広東語を覚えて話してみたりローカルのご飯屋に一緒に行ったりして、【私はあなたの国の文化に興味があって、あなたと仲良くなりたい】という意思を態度で示したおかげか、今ではとても仲がいいです。香港の人は一度仲間と認めてくれるとまるで家族の様に友人を大切にしてくれます。
駐在員コミュニティは怖い
ちなみに駐在員として海外で働く日本人は結束力と言うか繋がりが非常に強い為、あまり疎遠にすると面倒です。一番苦労するのは駐在員の奥さん(駐在妻)です。
駐在妻が日本人のコミュニティから外れるといじめや無視、嫌味を言われたりとドロドロです。また、子供が日本人学校などに通っているとどうしても駐在員同士のコミュニティは参加せざるをえません。
駐在妻たちのネットワークは非常に広く、いつの間にか自分の年収や役職がバレていたり、住んでいるタワーマンションや階層の高い低いでヒエラルキーができたり。
アホくさ!と思っていても被害を受けるのは奥さんやお子さんですからね。うちの(元)奥さんも結構駐在員時代はストレスを溜めていました。
適度に日本人同士も当たり障りなくお付き合いをした上で、現地の人たちともっと濃いコミュニケーションをとる事をおすすめします。
まとめ
海外で働きたい理由と目的を明確に!
自分の中で、何故海外で働きたいのか?その先にどうしたいのか?はしっかり考えた方がいいです。留学やワーキングホリデーであれば勢いで海外に出て行くこともいいと思いますが、ある程度将来のキャリアビジョンを持って転職活動を行う事をおすすめします。
適当な日系企業の現地採用で安月給で働いて、日本人駐在員の小間使いのような仕事ばかりさせられていては自分の為になりません。
個人的には、駐在員候補の求人を探すか、外資系企業の現地採用を狙う事が海外就職で成功する一番の方法だと思います。
それぞれの雇用形態のメリット・デメリットは下記の記事でまとめていますので、是非チェックしてみてください。