日本と最も密接な関係があると言っても過言ではないのがアメリカ(United States of America)です。
アメリカには多くの日系企業も進出しており、現地に工場を構えている企業も多いです。また、日本との輸出入も多く、このことからも関係が深いことが分かります。
人の往来も多く、北米のアメリカ本土だけではなく、ハワイやグアムなどに日本から旅行に行くことは長期休暇の定番となっています。
毎年のように『ハワイで働きたい!』とアメリカでの就職を目指す日本人は非常に多いですが、今回はアメリカ(北米)全体の就職事情について詳しくご紹介していきます。
アメリカの基本情報
アメリカはご存知の通り、名目GDPが正解のナンバーワンで、最も国力のある国家です。経済活動も活発に行われており、ニューヨークは世界にある金融市場の中心になっています。
生産性が高く、労働力も高いアメリカですが、数多くの天然資源もあります。製造業の規模が小さくなっているという側面もありますが、元々の経済規模が大きく、現在でも世界で最も大きな製造国です。
一方では、貿易赤字の大きさが懸念されています。最近では、中華人民共和国に対しての貿易赤字が増大しています。
通貨は米ドルで基軸通貨としての役割も果たしています。アメリカ以外の国でも、支払いはドルで行うことが可能なところもあり、非常に利便性が高い通貨となっています。
観光業も盛んで、ハワイやサイパンなど南国には、日本を中心として世界各国から観光客が訪れます。東海岸のニューヨーク、西海岸のロサンゼルスやサンフランシスコなども人気です。
気候・地理
アメリカの気温に関してですが、広大な国土を有しているだけに、場所によって傾向が全く違います。気温は、基本的には緯度によって大まかな傾向が決まります。
アメリカの東海岸の中心であるニューヨークは、日本と同じように四季があります。しかし、日本の四季とは違って、春と秋が短くなっています。
最高気温は約28度で、最低気温は約マイナス4度です。平均にすると約12度なので、日本の東京に比べるやや寒いです。
アメリカの南に位置するマイアミは、非常に温暖な気候が特徴です。最高気温は約32度で、最低気温は約15度です。
一年を通した平均気温は約24度ですので、日本の沖縄に近い気温になっています。日差しが強いので、日傘やサングラスは必須です。
アメリカの中央のやや西に位置するシカゴは、最高気温が約28度、最低気温は約マイナス11度です。平均気温は約9度ですので、ニューヨークよりも寒冷な気温です。
冬になると非常に寒くなる上に、豪雪になることも珍しくありません。風が強いので、帽子やマフラーは必ず必要になります。
西海岸で最も大きな都市のロサンゼルスは、比較的温暖な気候です。最高気温は約25度、最低気温は約9度となっています。
平均気温は約17度ですので、非常に暑くなることもありませんので、一年を通しでとても過ごしやすいです。
都市によっては時間設定も違うほど広大な国土のアメリカなので、その土地にあっている服装をすることが重要です。また、アラスカは非常に寒冷地域、ハワイやサイパンは温暖な地域です。
アメリカの物価
先進国は比較的物価が高い傾向にありますが、アメリカは日本と同程度の物価です。生活必需品の食料品ですが、スーパーで販売されているような商品は、日本よりも安くなっている傾向があります。
肉類やシリアル、パンなどはアメリカ国内で賄うことができるので、日本よりも物価が安いです。反対に魚介類などは日本よりも消費が少ないので、高くなってしまう傾向にあります。
特にアメリカの内陸部は、海産物の輸送に費用がかかってしまうので、さらに高くなります。
アメリカの外食と言えばファストフードですが、日本より若干安くなっています。料金的にも安いですし、大きさも日本で販売されているものより大きいです。
衣類は日本よりも安くなっているので、Tシャツなどは気軽に購入することができます。しかし電化製品の価格は日本よりも高い水準です。特にデジカメやメモリーカードは、日本よりもかなり高目の値段設定なので、持ち運びが容易な電化製品は日本から持って行くと良いでしょう。
物価で特筆すべき場所はハワイです。ニューヨークやワシントンが高いイメージが強いですが、最も物価が高いのはハワイです。観光地としての特性に踏まえて、離島ですので食料などが高くなってしまいます。
家賃については、住む場所によってかなりの差があります。ニューヨークやロサンゼルスのような都市は、非常に家賃が高くなっています。
反対に、内陸部の地方に行けば、格段に家賃は安くなります。都市部では、家賃が非常に高額なので、シェアして入居する人も少なくありません。
アメリカの言語
公用語は言わずもがな英語で、教育などではほとんどの場所で英語が使用されます。英語を話すことができれば、アメリカ国内では問題なく生活することができます。
しかし、アメリカは移民国家ですので、場所によっては英語以外が話されていることも珍しくありません。家庭で使用される言語は、約80%が英語、約12%がスペイン語、そしてその他の言語となっています。ヒスパニックの家庭では、スペイン語を話すことが多くなっています。
もちろん、チャイナタウンや日本人街もあります。これらの場所では、中国語や日本語が活発に使われています。
アメリカの治安
先進国ですので、治安は概ね良い傾向にあります。以前まではニューヨークやロサンゼルスは、治安が悪いイメージが先行していました。しかし、現在では治安はかなり改善しており、移民国家でありながら安心して生活を送ることができます。
日本と同じくらい治安が良い訳ではありませんので、女性が夜中に独り歩きするようなことは避けなければなりません。
全体的に治安が良いですが、場所によっては悪いところもあります。デトロイトやセントルイスなどが治安が悪く有名です。アメリカで治安が悪いところ≒経済的に厳しい人が多く住む所という感じです。
また、アメリカは銃社会ですので、一般人でも銃を所有することができます。このことは、アメリカに住む際には十分に危険性、自衛の方法について理解しておきましょう。
アメリカ人の仕事ぶり
アメリカ人は、ビジネスライクな側面が多分に見られます。日本とは違い、契約などは非常にシビアです。契約の無い口約束などあってはならないという習慣です。
サービス業などでは、日本に比べると無愛想だと感じることも多く、適当だと感じてしまうこともあります。ラフなところがありますので、日本と同じ価値観で仕事をすると戸惑ってしまいます。
しかし、能力の高い人を活かすことができる会社が多く、生産性は高いです。仕事のスピードも早く、効率的に働くことを目指しています。
アメリカ人の人柄
映画などを見れば分かりますが、アメリカ人は非常に社交的です。オープンな性格の人が多く、パーティーなどの開催で親睦を深めています。負けず嫌いな人も多く、多少性格がキツイと感じる人も居ます。
接待よりもホームパーティ
アメリカ人の独特?の文化として、ホームパーティがあります。これははっきり言ってただの親睦を深めるためだけの行事ではありません。アメリカのビジネスシーンでは人脈作りが非常に重要となってきます。
アメリカ資本の企業には、日本企業と異なりレイオフ(リストラ)の可能性がついてまわります。上司に仕事で媚を売る事は無意味ですが、こういった半プライベートの時にしっかりとかわいがってもらうように頑張る事が、リストラ候補から外れる為に大切だったりします。
仕事はスマートでドライなイメージのアメリカ人ですが、結局どこの国も上司と仲良くなった人間は得をするというのは変わらないようですね。
日本人と比べて表情や身振り手振りを交えて話す方が多いです。また、愛国心が強い人が多いのも特徴で、無神論者は非常に少ないです。国家や宗教を中傷するような言葉は、大きなトラブルに発展することも多いので、慎まなければなりません。
アメリカ(北米)の就労ビザ取得条件
日本人が働く為に取得する就労ビザは主に3つのビザがあり、貿易職の駐在員向け「E-1、E-2 VISA」、一般企業駐在員向けの「L-1 VISA」、専門職向けの「H-1B VISA」があります。
中でもH-1Bビザは採用活動をした結果、米国人有資格者が見つからなかったために外国人を雇うことを認める、という趣旨で発給されるビザです。
毎年定員が決まっており、近年倍率が非常に高く取得のハードルは高いです。学歴、職務経験、専門分野等を総合的に見られます。
近年、今まで日本人がアメリカで働く際に一般的とされてきたH-1Bビザの取得がかなり狭き門となっています。理由は、H-1Bビザの年間上限人数が激減したからです。
現状の一番の近道は、日系企業の駐在員としてL-1ビザを取得して働く事かと思います。
H-1Bビザの条件
- 職務内容がプロフェッショナルなものであること。
- 原則4大卒(学士)以上
- その年のビザ発行数が規定数に達していないこと。
- ビザ申請者の学位と職務内容が一致すること。
L-1ビザの条件
- ビザをサポートする会社は、日本の会社の子会社または関連会社であること。
- ビザ申請直前の3年間のうち最低1年以上日本の親会社に勤務していること。
- 管理者または専門知識を有するもの。
L-1ビザは日系の企業の駐在員としてしか働けません。一方H-1Bビザは働く企業の制限はありません。(ただし、ビザ申請時の会社から転職の際は別途申請が必要)
上記の条件を見てもらえば分かる通り、転職してすぐアメリカ駐在員としてビザを申請するのはなかなか難しいです。
良くあるケースとしては、日本の本社に駐在員候補として転職し、1年程アメリカへ長期出張ベースで訪れて仕事をし、改めてL-1ビザの申請をして正式に駐在員として赴任するというパターンがあります。
アメリカ求人の現状
上記で紹介した通り、近年就労ビザの基準厳格化が進んでおります。実務経験がある仕事に就く事が絶対条件であり、未経験者・新卒のアメリカ就職はかなりハードルが高いです。
特にH-1Bビザを取得するには、現状かなりの専門性や経験が求められます。
日系駐在員
日系企業のアメリカ求人でも、駐在員待遇を受けられる募集が定期的に出てきます。製造業経験者は比較的良い待遇の求人を見つける事が出来る可能性があります。
ただし、求められる要項(マネジメント経験、専門分野での経験等)もレベルが高いので、自分のキャリアにマッチする求人を見逃さずタイムリーにキャッチして行動する事が重要です。
外資系採用
今私は欧州資本の外資系に転職し、香港で働いていますが、可能であれば外資系で働くのが一番お勧めです。給料も待遇も悪くないですし、日本の社畜的文化が無いのも精神衛生上良いです。
私自身、アメリカ系の外資系で勤務した経験はありませんが、欧州系の企業と比べてもドライで、レイオフや事業撤退が容赦ないと良く耳にします。
また、アメリカ企業の求人は英語ビジネスレベル以上の高い語学力を要求される事、求められる専門性やマネジメント経験も比較的高い事が多いのが難点です。また、競争率も非常に高いので定期的な海外求人のチェックが重要です。
アメリカ(北米)就職の進め方
では具体的に、アメリカへの海外転職を進めていくにはどうしたらよいでしょうか?
海外求人、特に駐在員求人や外資系求人は高待遇な求人が多い為、競争率が非常に高いです。一度でも転職サイトで海外求人を探した事がある方なら分かるかと思いますが、人気の無い待遇の良くない求人ばかり残っていませんでしたか?
良い求人はすぐ応募が殺到します。万人にオープンになっている求人で、良い条件の職に出会えるチャンスがかなり低いです。
良い求人を探す時のポイントは【非公開求人で優先的にオファーを貰う事】です。一般的な転職サイトの公開求人よりも質の高い求人を紹介してもらえるチャンスが非常に増えます。
個人的には【海外転職に強い大手転職エージェント】+【現地密着型のエージェント】の両方に登録してオファーを待つのがおススメです。現地密着型と大手エージェントをおさえておけば、かなり広範囲に求人をカバーできます。
海外就職に強い転職エージェントは、求人件数が圧倒的に多いランスタッドと、国内最大手のリクルートエージェントの2つをおさえておけば間違いないです。
アメリカ特化型の現地就職サイト
海外就職に強い転職エージェント
海外転職はエージェントを活用しよう!
駐在員候補や、外資系海外転職のハイレベルな求人は転職エージェントの非公開求人から探すのが一番です。
転職エージェントから紹介してもらえる非公開の海外求人は、ネット上で誰でも見れる求人よりも、待遇も仕事の濃さも段違いです。
海外求人に強い転職エージェントに登録して、【質の良い海外求人情報を誰よりも早く入手する事】が海外転職活動では非常に重要です。
どの転職エージェントを利用すればいい?
転職エージェントや転職サイトはたくさんありますが、海外求人を豊富に取り扱っている以下の3社がおすすめです。
- Randstad(ランスタッド)
- リクルートエージェント
- キャリトレ
ただし、海外転職に強いエージェントでも、それぞれ特徴や強みが違います。
自分の目的や理想に合わせて、最低2つはエージェントを利用する事が海外転職成功のカギ!
A:自分のキャリアやスキル、語学を活かしてハイレベルな海外転職をしたい人
【ランスタッド】+【リクルートエージェント】の2社がおすすめ。
B:職歴は浅くても海外就職に挑戦したい人
【リクルートエージェント】+【キャリトレ】の2社がおすすめ。
まとめ
難易度の高いアメリカ(北米)での就職を目指して転職活動を進めるなら、『現地特化型エージェント』と『海外就職に強い大手エージェント』最低それぞれ1社ずつは登録して進める事で、高待遇の求人を見逃すことなく進める事が出来ると思います。
あなたのキャリアやスキル、タイプに合わせてベストな転職エージェントのサポートを受けて、海外転職を成功させてください!