ここ数年、日系民間企業の進出が続いているのがベトナムです。
社会主義ではありますが、日本とは非常に密接な関係を築いています。現在では、中国の賃金の上昇に応じて、ベトナムへ工場を移転している企業も多いです。
これから先、ベトナムでの日本人向け求人がますます拡大する事が予想されます。今回は、ベトナムの就職事情についてご紹介します。
ベトナムの基本情報
ベトナムの正式名称は、ベトナム社会主義共和国なので、社会主義共和制の国家です。
ベトナムのイメージと言えば、長期間の戦争が行われたベトナム戦争をイメージする方が多いのではないでしょうか。
10年以上に及んだ戦争ですが、現在では復興が進んでおり、ハノイやホーチミンなど都市圏になれば戦争の面影はあまりありません。
首都は北部にあるハノイで、人口も600万人を超える大きな都市です。経済の中心地は南部にあるホーチミンで、こちらも人口が700万人を超えています。
またホーチミンも、著しい発展と成長を続けており、東南アジアの経済の中心地と言っても過言では無いかもしれません。
通貨はドンを採用しており、使用している国はベトナムに限ります。日本との関係も良好で、緩やかな同盟関係を築いているとも言われています。
ベトナムへの渡航にはビザも必要ないので、スムーズに行き来することができます。最近では、日本に労働者として来日するベトナム人も増えています。
ベトナムのGDPですが、2000年ころまでは非常に低調な数字でした。しかし、最近になり非常に高くなっており、その成長率は東南アジアの中でも有数です。
東南アジアの国は、成長率が高い国が多いですが、中でもベトナムの成長率の上昇はは凄まじいものがあります。1人当たりのGDPも飛躍的に上昇しており、生活水準が上がっているのが分かります。
ホーチミンやハノイなど経済都市も多いですが、少し移動すると素晴らしい自然もあります。様々な遺跡もあり、観光資源にも優れています。
ベトナムのちょうど真ん中にあるダナンという都市は海が綺麗なリゾート地として有名で、欧米人やロシア人のバカンス先としても人気を集めています。
ベトナム名物:バイク地獄
ベトナムと言えば大量のバイクが道路を埋め尽くしている写真等を想像する方も多いと思いますが、やはり個人の移動の足は圧倒的にバイクが多いです。
ハノイなどの都市部では朝夕の通勤時は道路をバイクが埋め尽くします。そして大量の砂埃と排気ガス、クラクションの嵐に巻き込まれます。
夏のハノイ都市部へ行って、道路を歩いたらすぐ倒れそうになるくらいうるさいし暑いです。死にそうです。
また、せっかくタクシーに乗っても渋滞が酷過ぎて、歩いて10分程度の距離の移動に1時間かかってしまう事もあります。
インフラはまだまだこれから
ハノイやホーチミン等の主要都市は道路も整備されており高速道路も新しくどんどんできています。しかし少し郊外に出ると、アスファルト舗装の無いデコボコの道路が当たり前ですし、定期的に横転したり横の田んぼにハマっているトラックなどを見かけます。
また、夜になると本当に真っ暗になります。夜遅くまでやっているお店も少ないですし、そもそも街頭がとても少ないです。
夜になるといたるところに【KARAOKE】というネオン看板が出ていますが、これは普通のカラオケです。綺麗なお姉さんとお酒を飲むカラオケではないのでガッカリしないように。
とはいえ、年々インフラも整備が進んでおり、日系企業もインフラ整備に大きく貢献しています。政府関連の受託業務で大手日系メーカーが多数進出しています。
ベトナムの気温や地理
ベトナムの国の形は縦長で、ベトナムの北端と南端までの長さは日本の北海道から沖縄くらいまでとほぼ同じです。その為、都市によって気温がかなり違います。(全体的に暑いは暑い)
首都でもある北部にあるハノイは、年間の平均気温は24度ほどですので、それほど暑い訳ではありません。日本と似たような四季がありますが、春秋冬が短くなっており、夏が長くなっています。
夏に当たるのは5月から10月までで、この時期の平均気温は33度ほどとかなり上がります。6月から7月は湿度も上昇するので、ムシムシとした気候になります。
東南アジアの雨はスコールが多いですが、北部にあるハノイではそれほど見られません。しかし、5月から9月の雨季には、雨の量が多くなります。冬の平均最低気温は13度ほどなので、冬になると長袖を着用するなど対策が必要です。
南部にあるホーチミンですが、年間の平均気温が28度ほどなので、他の東南アジアの国と同じように温暖な気候です。雨季と乾季に分かれており、5月から10月は雨季になりますので雨の量が多くなります。
ハノイとは違い、スコールが発生する確率もホーチミンの方が高いです。11月から3月の乾季には、湿度が大幅に下がりますのでとても過ごしやすくなります。
ベトナムは東南アジアの国ではありますが、インドネシアやマレーシアに比べると、赤道から離れた距離にあります。思ったよりも暑くないと感じることもありますので、時期によっては軽装するのは避けたいところです。
ベトナムの物価
ベトナムの物価は、他の東南アジアの国と同じように、日本と比べるとかなり安くなっています。全体的に見れば、日本の3分の1程度の物価と考えて良いでしょう。
交通費は激安
ベトナムには地下鉄がありませんので、移動はタクシーがメインになります。料金体系はタクシー会社によって違うのですが、タクシー初乗り料金はおよそ56円から70円ほどです。
日本ではあり得ない価格設定なので、気軽に利用することができます。バスの料金も近距離なら30円弱、バイクの駐輪代は28円ほど、自転車の駐輪代に至っては5円ほどで済みます。
食費もローカルは安い
フォーや生春巻きで有名なベトナムですが、食料品や外食も格安で購入することができます。屋台なら、100円以下で食事を済ませることもできます。
ところが日系の和食店になると、1,000円弱ほどの料金が必要になってしまいます。コンビニのおにぎりは45円ほど、500mlの水は35円ほどです。チェーンコーヒーになると340円ほど、ハンバーガーのセットは450円ほどになり、他の食べ物に比べると高くなります。
日本人向けマンションは若干高い
経済の中心地であるホーチミンは、物価に比べると家賃が高い傾向があります。外国人向けのサービスアパートなら、ワンルームで30,000円以上必要になります。
ジムやプールがついている高級なところだと、200,000円を超えることもあります。通常のアパートなら、1月10,000円から30,000円ほどです。これがホーチミンやハノイ以外の地方になると、格段に安くなります。
とにかくご飯がおいいしい
私は長く香港で暮らしていますが、はっきりって香港のご飯は何年たっても口に合わないです。ベトナムに行くと、何を食べてもおいしいと思ってしまいます。また、お米も日本のお米に近い味でおいしいです。
日本料理屋のクオリティも、日本人や日系飲食店が多数進出している為、非常においしい違和感のない日本食を食べる事が出来ます。
ローカルフードとの価格差はすごいですが、香港で美味しい日本食を食べるよりも圧倒的に安いです。
ベトナムの言語
ベトナムの公用語はベトナム語で、多くの国民がこの言語を使用しています。中国や台湾に在住しているベトナム人の間でも、このベトナム語が話されることがあります。
ベトナムはフランスの植民地だった歴史があるので、エリート層を中心としてフランス語を話すことができる人も見受けられます。
しかし、現在では欧米の観光客のことを考え、英語を話すことができる人々が増えています。ホテルや売店など観光客の応対をするところでは、英語が通用するところも多いです。
ベトナムの治安
ベトナムは独裁国家ですが、凶悪犯罪はそれほど多くありません。観光客に対する凶悪事件も少なく、この点に関してはそれほど心配することはありません。
しかし、気をつけなければいけないのは盗難と、詐欺やぼったくりです。ベトナムではバイクを使用されることが多いですが、このバイクを利用したひったくりが多発しています。
カバンは肩にかけるようにするなど、ひったくられない工夫が必要です。日本人相手だと分かると、ぼったくりをしようとする店員も居ます。ベトナムでの物価を把握するようにして、ぼったくりを防ぐ工夫が必要です。
ベトナム人の仕事ぶり
東南アジアの国の仕事ぶりは、日本と比べると怠惰に見えることが多いです。これはベトナムでも同じことで、手は動かさないが口を動かすというシーンが見られることがあります。
根はまじめな人が多いですが、中国人などに比べると仕事が遅く、ダラダラと作業をしているように見えてしまいます。できないことはできないと開き直るところがあり、かなりキツイ口調で命令しなければなりません。
タイなどと同じように、仕事の面では男性よりも女性の方が圧倒的に仕事はキッチリやってくれるイメージが強いです。知り合いに聞いてみても、夫婦で旦那よりも奥さんが稼ぎが多いパターンが結構多いです。
東南アジアの文化なんでしょうか?(笑)
ベトナム人の人柄
ベトナム人の人柄は、比較的日本に似ている部分があると言われています。仕事で口を動かすことはありますが、基本的には忍耐力があり我慢強いと言われています。
基本的には真面目なので、サボるということはあまりありません。ただ、マイペースで仕事が遅い人が多いです。
喋ることが好きな人が多く、南部のホーチミンは非常にオープンですぐ他人と仲良くなることができます。南部はマイペースで楽観的、オープンな人柄ですが、北部は真面目でプライドが高い、警戒心は多少高い人が多いです。
ベトナムのビザ取得条件
数年前から、製造業を中心に日系企業のベトナム進出が増えていますが、社会主義国家という事もありビザの取得条件や法人設立などの法令は頻繁に変わるため常に新しい情報を入手する必要があります。
- ビザ+ワークパーミットが必要。
- 出身国の無犯罪証明提出が必要。
- 就労できるのは外国法人の社長(役員)
- 技術者の場合、1年以上の専門教育+3年以上の実務経験を証明が必要。
- 専門家の場合、大学卒業(学士取得)+5年以上の実務経験を証明が必要。
駐在員事務所のトップや、現地法人のトップを務める場合以外は、ベトナムでの職務が本人の専門分野または技術を活かした職である必要です。
とはいえ、中国や香港、シンガポールと比較するとビザも申請が通りやすい部類に入ります。
ベトナムの求人状況
駐在員・現地採用含めベトナムで働く日本人はたくさんいる為、日本人向けのサービス業も含めて常に求人があるのが現状です。
特に製造業を中心に日系企業が進出おり、製造業関係の経験者採用の求人も良く目にします。
現地採用
幼稚園・保育士、飲食業など在住日本人向けのサービス業の求人が多いです。また、日系メーカーや商社の事務及び営業等の募集も定期的にかかります。
ベトナム語を喋れる人という条件はほぼ無く、日本語だけでOKだったり、英語が少し話せれば問題ないという条件がほとんどです。
参考)ベトナム現地採用の給与水準
・事務系:1300~1800USD
・営業系:1300~2500USD
・IT技術系:1800~2500USD
・製造技術系:2000~3500USD
・マネジメント系:2000~3500USD
参考:http://hr-linkvn.com/salary
日系駐在員
日系企業のベトナム求人でも、駐在員待遇を受けられる募集が定期的に出てきます。特に、ベトナムは日系メーカーの生産拠点として大きな役割を果たしていますし、チャイナプラスワンの動きで今後更に拡大していくと思います。
メーカーや商社、貿易関連等の求人が定期的に出ています。個人的には、日系駐在員か外資系採用を優先的に探す事をおすすめします。(手当や給与が全然現地採用とは違いますので)
駐在員待遇、外資系を狙おう
特に日系の現地採用の場合、家賃手当なし、給料安い、仕事はキツイの三拍子が揃う事があり、ベトナムのようにいくら物価が安い国とはいえ、待遇や給料が安ければストレスが溜まります。
もちろん、現地採用でも良い職場はたくさんあると思いますが、高待遇の求人を見逃さないようにする事、特に『家賃補助の有無』を確認する事が非常に大切です。
ベトナム就職の進め方
では具体的に、ベトナムへの海外転職を進めていくにはどうしたらよいでしょうか?海外求人、特に駐在員求人や外資系求人は高待遇な求人が多い為、競争率が非常に高いです。
一度でも転職サイトで海外求人を探した事がある方なら分かるかと思いますが、人気の無い待遇の良くない求人ばかり残っていませんでしたか?
良い求人はすぐ応募が殺到します。万人にオープンになっている求人で、良い条件の職に出会えるチャンスがかなり低いです。
非公開求人をチェックする
良い求人を探す時のポイントは【非公開求人で優先的にオファーを貰う事】です。一般的な転職サイトの公開求人よりも質の高い求人を紹介してもらえるチャンスが非常に増えます。
個人的には【海外転職に強い大手転職エージェント】+【現地密着型のエージェント】の両方に登録してオファーを待つのがおススメです。現地密着型と大手エージェントをおさえておけば、かなり広範囲に求人をカバーできます。
海外就職に強い転職エージェントは、求人件数が圧倒的に多いランスタッドと、国内最大手のリクルートエージェントの2つをおさえておけば間違いないです。
ベトナム密着型の現地エージェント
海外就職に強い転職エージェント
海外転職はエージェントを活用しよう!
駐在員候補や、外資系海外転職のハイレベルな求人は転職エージェントの非公開求人から探すのが一番です。
転職エージェントから紹介してもらえる非公開の海外求人は、ネット上で誰でも見れる求人よりも、待遇も仕事の濃さも段違いです。
海外求人に強い転職エージェントに登録して、【質の良い海外求人情報を誰よりも早く入手する事】が海外転職活動では非常に重要です。
どの転職エージェントを利用すればいい?
転職エージェントや転職サイトはたくさんありますが、海外求人を豊富に取り扱っている以下の2社がおすすめです。
- Randstad(ランスタッド)
- リクルートエージェント
ただし、海外転職に強いエージェントでも、それぞれ特徴や強みが違います。
自分の目的や理想に合わせて、最低2つはエージェントを利用する事が海外転職成功のカギ!
A:自分のキャリアやスキル、語学を活かしてハイレベルな海外転職をしたい人
【ランスタッド】+【リクルートエージェント】の2社がおすすめ。
B:職歴は浅くても海外就職に挑戦したい人
【リクルートエージェント】と【キャリトレ】がおすすめです。
リクルートエージェントは、日系駐在求人から現地採用求人まで幅広い海外求人を揃えている為、キャリアアドバイザーと相談しながら自分にあった海外求人を見つけることができます。
キャリトレはビズリーチが提供する、若い世代向けの転職サービス。スマホアプリで簡単に海外就職の求人リサーチができます。
C:海外求人や英語を生かせる求人を気軽にチェックしたい人
【キャリトレ】がおすすめです。
エージェントではなく、スマホアプリで自分にあった求人を毎日気軽にチェックできます。
若い人向けの求人が中心で、海外求人も職歴が浅くても応募しやすい求人を見つけることができます。
まとめ
ベトナムは、物価も安くご飯もおいしいので、比較的楽しく働きながら暮らせるおすすめの国です。
ただ、インフラ整備はまだまだこれからなので、不便に思う事も多いかもしれませんが、それも差し引いてもとても魅力的な就職先と言えます。
私は長くタイと香港で生活していますが、ベトナムの方が人も少なくゴチャゴチャしていないし、物価も安いしご飯もおいしいのでいずれはベトナムでも暮らしたいなと思っています。
ベトナムの求人は駐在員・現地採用共に幅広く様々な業種で募集が出ている為、自分にあった求人を見つける事が大切です。
ベトナム就職を目指して転職活動を進めるなら、『ベトナム密着型エージェント』と『海外就職に強い大手エージェント』最低それぞれ1社ずつは登録して進める事で、高待遇の求人を見逃すことなく進める事が出来ると思います。
Randstadとリクルートエージェントの両方を登録して同時進行が理想です。
少なくとも、キャリアアップを目指して海外転職に挑戦する方は、海外求人件数が圧倒的に多いRandstadに登録すれば間違いありません。
あなたのキャリアやスキル、タイプに合わせてベストな転職エージェントのサポートを受けて、海外転職を成功させてください!