僕の人生はずっと順風満帆でした。
小中でクラスリーダーをして、高校で生徒会に入り、大学受験も第一希望のところにすんなり入れ、ほとんど苦労した記憶はありません。
就活もきっと順風満帆に間違いない、そう信じていました。
小さい頃から親の敷いたレールを歩き、それに全く疑問を持たずに生きてきたので、当たり前なのかもしれません。
そのせいか、就職に関しても親が進言してきた大手企業を集中的に応募。
幸いにも調べたり、本で探したりすることは得意なので、エントリシートや面接では調べたことを話しては、採用担当の方を笑顔にしました。
まわりの同級生が就活に苦労する中、大手と言われる企業に、いともかんたんに内定をもらうことができたのです。
親も大喜びで、何度もお祝いしては、さすが自分の息子だと言い、満足気であったことを覚えています。
ですがあることをきっかけに、僕の考え方と生き方は大きく変わることに。
これは僕が新しい生き方を見つけた転職に関するお話です。
目次
大手企業で働くだけではやりがいを感じられなかった
大手企業に入社してからは、社会人の生活に戸惑いながらも、なんとかそつなく仕事もこなしました。
そんな社会人生活をして1年経ったころ、大学の友人と集まった時のことです。
久しぶりに会った友人はどこか疲れているようで、よくよく話を聞くと仕事が忙しく、あまり休めていないのだとか。
そんな彼に僕は転職をすすめましたが、すると彼はこう言ったのです。
『確かにちょっと大変だけど、すごくやりがいを感じているんだ。』
彼の言葉を耳にした時、とても衝撃的な感覚に襲われました。
「仕事にやりがいを感じる…。」
僕は一度もそんな風に感じたこと はなく、ただただやりがいという言葉にショックを受けたことを覚えています。
これまで僕にとっての仕事とは、あくまで生きるためのものだとしか考えていなかったからです。
「僕も仕事にやりがいを感じてみたい。」
そう思い、今まで以上に仕事に打ち込むことにしました。
大手企業で働くよりも好きなことにチャレンジしたい
そもそもやりがいを感じるとは、どういうことなのだろうか?
友人を二度目の食事に誘い、くわしく話をきいてみました。
好きなことをしていれば、辛さを乗り越えるとやりがいを感じると言うではありませんか。
僕は自分の好きなことを考えてみました。
「本を読んだり、調べることは好き。静かな時間が好き。」
その2つを思いついた時、急にひらめいたように、図書館を思い出したのです。
「そうか!僕は本が好きで、図書館が好きなんだ。」
はじめてこの時に自分自身の願望を自覚しました。
それを自覚してからは、図書館で働きたい願望が日に日に強まったのです。
今まで自分が道を選んだことがなかったので、図書館勤務したいという願望が間違いのように思えたこともありました。
「でも自分のやりがいを見つけたい、自分の選ぶ道を進みたい。」
そう強く感じたことから、思いきって転職をすることにしました。
大手企業からの第二新卒で転職活動
親には猛反対されて、勘当するとまで言われましたが、僕にはそれさえも新鮮でわくわくしたことを覚えています。
はじめて親の言うことに逆らい、自分自身で道を選ぼうとしていることに、少しは不安もありましたが、それ以上に急激に世界が変わっていく高揚感を感じたのです。
大手企業を辞めたあと、貯金で図書館司書の講習を受けました。
指定大学での3ヶ月の受講はとても楽しく、そこから図書館についてもっと知りたいと思うようになります。
そしてその講習で同じ志を持つ仲間と多く出会えました。
またその時はじめて、図書館司書という職業の需要の低さも身をもって知ったのです。
大手企業からの第二新卒は就職に有利
3ヶ月の講習を終えて、いよいよ転職活動です。
転職エージェントやハローワークには、図書館勤務の仕事はあまりありません。
大抵は派遣か公務員だけで、図書館のスタッフをまかなっているのです。
僕は大学図書館の契約派遣として働くことを決めました。
派遣の面接では、大手企業を辞めた僕の経歴がもったいないと散々言われましたが、気にしませんでした。
採用に関しては、第二新卒だったため、仕事に対する変な偏見を持っていないからという点が決め手だったようです。
そして図書館で多くの本に囲まれて働く毎日は、とても楽しいです。
小さいころから本を読んでいたので、図書館利用者から「こんな本知らないか?」など聞かれ、正確に答えるとおどろかれたりします。
そうやって本について、たくさんの人と語り合っている時は、心からやりがいを感じていられるので、本当に心が満たされるひとときです。
自分のやりたいことを選んだので後悔していない
ちなみに図書館勤務は意外と体力を使うので、最近は体力づくりに励んでいます。
いまだに友人には、大手企業を蹴って派遣で働くなんて馬鹿らしいと言われますが、僕は今の図書館の仕事にやりがいを感じていますし、まったく後悔はしていません。
夢を見すぎだとも言われますが、夢を見ることにマイナスなんてないはず。
ましてや実際にやりがいを感じ、心が満たされているのは、本当に素晴らしいことなのではないでしょうか。
人の意見や目を気にするよりも、自分の気持ちを大事にすることに、とても大きな価値があるとは知らない人が多過ぎると感じます。
人は夢があるからこそがんばれるのではないでしょうか。
自分のやりたいことを叶える
僕の今の夢は個人図書館を作ることです。
ぼんやりと学生時代を送ってきましたが、やりたいことを見つけた今は、毎日が素晴らしいと感じます。
転職活動している中でも、成功すれば楽しい毎日が待っていると自分を励まし続けました。
これから周囲の人たちに反対されても、自分のやりたいことは曲げません。働くのはほかでもない僕自身ですからね。
自分のやりたいことを目標にして、新天地へと転職しようとしている人がいるならば、僕は背中を押してあげたいです。
第二新卒での転職は、長引くことがあるので、夢がないとがんばれないかもしれません。
どうしたら実現するかの計画性、絶対に曲げない根性と夢を信じるポジティブさがあれば、幸運の女神はかならずあなたに微笑みかけてくれるはず。
リアルな話をすれば、転職活動する間の生活費もあれば、もっとベストかもしれません。
いくつになっても、夢を追いかけることに恥ずかしさを感じる必要はないです。
大口たたいて終わるよりも、実際に行動することで、たとえ失敗してもつぎに繋がると信じています。