Amazonや楽天などのECサイトが台頭し、さらにヤフオクやメルカリ、ラクマなどのオークションやフリマアプリによるリユースがますます活発に。
そのため脚光を浴びているのが物流業界です。
このような急激なニーズの変化により、物流業界は今圧倒的な人材不足だといえるでしょう。
あまりにも荷物の量が多く、激務で労働環境は悪いとはいわれていますが、それは一時的なもので、社会問題にもなっていることから必ず改善されるはず。
つまり今物流業界でいい職種に転職できれば、いいポジションが狙える可能性は十分にあります。
もちろん第二新卒からでも、物流業界であれば確実に転職可能です。
今回は第二新卒の物流業界への転職についてくわしくご紹介します。
目次
第二新卒は貴重な戦力!物流業界は採用意欲がとても盛んな業界の一つ
物流業界は人手不足もあり、とても採用に積極的です。
某大手の運輸会社では、日本人を採用したくても応募者がいないため、海外まで優秀な人材を確保するために人事担当者が採用面接で、海外の現地を走り回っています。
人事担当者が海外出張と海外現地での面接ばかりで、なかなか家に帰れないと嘆いているのが現状です。
それほど採用意欲が高い業界です。
慢性的な人材不足に悩む物流業界
物流業界は人手がなければ動きません。
メーカーや商社よりも、人に関してはシビアな調整が求められる業界です。
それでも人手が足りていない深刻な状況。
仕事はいくらでもあるのにも関わらず、あまりにも急激な需要の増加により、人材の確保が追いついていないのです。
会社によっては、大手企業でも日本人を雇えれば一番ありがたいけれど、なかなか応募がこないために、国内での採用を半ばあきらめているというところまで追いつめられています。
外国人留学生の間でも、物流業界の日本企業は人気がなくなっており、なかなか採用が進んでいません。
今や日系企業は、競争力が弱まっていることから、韓国や中国よりも人気が低い状況なので、採用難の企業にとっては苦しい現状です。
外国人留学生に関しては、以前は中国人の方が大量に来てくださっていましたが、現在では中国が世界の工場から世界の消費地となり経済大国となったことから、そちらに留学生を奪われています。
これは現場で荷物を運ぶドライバーから渉外担当者、管理者まですべてです。
つまりあなたが転職するチャンスでもあります。
物流が止まれば経済は止まる!社会インフラを支える重要な仕事
物流業界はまさに日本経済の血液として機能しています。
インターネット通販最大手のアマゾンなどは、だれもが日常生活で活用するほどのインフラとなりましたが、物流が止まればその商品の配達もままなりません。
アマゾンのプライムと呼ばれるサービスに申し込めば、配達料無料で翌日には商品が届くサービスを行っていますが、これは物流システムが優れているからこそ成り立つもの。
俗に「Amazonがすごいのではなく、じつはヤマト運輸がすごい」といわれるほどで、Amazonそのもののサービスよりも、物流業者のサービスがすごいのです。
もし今物流がストップすれば、社会・個人問わずに経済活動が完全にストップしてしまうでしょう。
会社でもゆうパックや宅急便を、当たり前のように利用している重要なインフラですが、この物流システムが止まったらと思うとゾッとしませんか?
もしも物流が全て停止したら、企業は正常な経済活動を営むことができないでしょう。
会社にも個人にも見えないところで日本を支えているのが物流業界なのです。
物流業界は、日本経済の血液とも例えることができるのかもしれません。
人間の血液の流れが止まれば死に至るのと同じで、物流業界が止まれば日本経済は死んでしまいます。
物資の配達が困難になれば、それだけで日常生活に影響が出てしまいます。
それほど重要な産業で、あなたが面接に訪れることを、今この瞬間でも歓迎してくれるでしょう。
物流業界のサービスは付加価値を生み出すことが難しい
日本経済や国民の生活を支えるために必要不可欠な物流業界ですが、メーカーなどの高付加価値産業に比べて物を運ぶという需要は高くても、付加価値を生み出すことが難しい業界でもあります。
荷主から依頼された商品を、できるだけ早く大量に運ぶことが結果的に付加価値となってしまうため、労働環境は劣悪になりやすいのです。
スピードを要求すれば当然、従業員は身体的な疲労が蓄積しますし、ストレスが溜まってしまいます。
物資を配達する数が増えれば、当然のごとく運転手などの往復の回数は増えるので、これもまた体力をいたずらに消費してしまうでしょう。
そのためソフトとハードの面で、効率化や改革が求められています。
物流業界の労働環境は改善傾向にある
物流業界の課題は、EC事業者やフリマサービスの提供者の過剰な値下げ要求により、儲からない構造が本格化してきていることです。
人手不足なのに中々給料が上がらないのはどの業界でも同じですが、物流業界もその構造のスパイラルに入っています。
ですが以前よりも労働環境は改善傾向にあります。
現在は自営業のトラック業者などが隆盛しており、ドライバーをはじめとした直接雇用の正社員には労働基準法の遵守が叫ばれています。
とくに長距離トラックのドライバー職などは、この業務を自営業に外注化する傾向になっており、長距離のトラックドライバーは自営業の運転手などに仕事が回る構造になりつつあるそうです。
自営業者の場合は、ある程度の融通が利き、独自のネットワークや荷物の混在により、自社だけで運送するよりも効率的に輸送できます。
従業員を直接雇用するよりも、自営業者に任せた方がリスクが少ないうえに、融通が利くということです。
自営のドライバーも、仕事が増えることで潤うため、どちらにもメリットがある構造。
社員には厳しい労働基準法が適用されるので、目的地に配送物を届ける輸送を、自社の社員だけで運用する考え方から切り替わりが起きているのです。
2023年ドライバーの働き方改革が急加速
働き方改革関連の法律が施行されたことにより、物流業界もホワイト化が急加速しています。
休日日数、1日の労働時間、年間の残業時間について強烈に規制がかかっています。
現実的には、法律施行されて2024年までの猶予期間がありますが、働き方改革の波に乗れない物流業者の将来はありません。
今までは長距離ドライバーが1人で配達できたルートでも、残業時間の制限のために2人で運転が必要になるなど、とにかく人手が足りなくなりますので、今後は物流業界の賃上げ、ホワイト化に要注目!
第二新卒から目指すならどれ?物流業界の業態
物流業界は大きく三つの業態に別れます。
流通業界としたときにひとくくりにされがちですが、大きな三つの区分があります。
日本郵船を筆頭にした運輸会社、そして三菱倉庫を筆頭とした倉庫、川崎汽船などのような海運会社です。
法人向け企業は知名度が低いですが、倉庫業では澁澤倉庫などはじつは上場企業だったりします。
大企業の社員が会社の異動命令を受けて引っ越しをするときや、三菱系の企業の社員の社宅移転などの際に活用されています。
澁澤倉庫は仕事もとても丁寧な会社です。
法人向けで堅い業績を誇る企業が点在しているのも物流業界の特徴。
法人向け企業では、関西では鴻池運輸なども有名企業の一つです。
日本郵船などは実際には倉庫を保有しており、運送や運輸サービスまでを手掛ける最大規模の企業として知られていますよね。
また三菱倉庫などの大手も、実際には運輸業をやっています。
海運関係は海運がメインです。関西では神戸に本社を置く上組(かみぐみ)なども大手企業で上場しているのはご存知ですか?
じつは大手企業がたくさんあるのも物流関係の会社の特徴です。
モノを運ぶという需要はこれほどまでに高いということの表れで、不景気といえども生き残る企業が多いといえます。
給与が高い海運会社も狙い目!第二新卒でも十分転職可能
海運の企業の代表格には、川崎汽船、上組、商船三井などがありますが、ずば抜けて給料が高いのが海運関係です。
商社も貿易や輸出入でお金を稼ぐのですが、海運会社は商品を輸送することがメインです。
商社の場合には、輸送する商品自体を営業活動を通して作る事がメインの仕事です。
扱っている商品が社会インフラを支えるような商品で、具体的にはガソリンのような天然資源、自動車などの重機の海外輸送などの、輸送金額の大きな商品を独占しているのが大きな要因。
ちなみにトヨタやダイハツ等の自動車の大企業は、車を日本国内で組み上げると、その日の晩には海運会社に積み荷を運び、ディーラーの元へ届けるシステムを海運企業と契約しています。
積み荷が単価が高くて特殊なモノであれば当然賃金は高いですし、陸送で使用する車よりも船は製造するのにお金がかかります。
こういった事情から運送関係の中でも、とくに海運系企業は給与が高いのですがもちろん激務です。
よく海運系企業の幹部のお話を伺うとこのようなセリフが出てきます。
「フォークリフトは来たその日から仕事する。人間はそうはいかないけど、本来ならフォークリフトのように、入社したその日から仕事ができるのが当たり前。これが分かってない人が多い」
このような発言からも、どれだけの激務なのかが予想できるでしょう。
それなりに激しい業界ではありますから、高給な代わりに仕事は激務であるという認識を持ちましょう。
また大手海運業者の新卒採用は、想像以上に高学歴な人材が集まることも特徴です。
第二新卒から物流業界への転職に有利な資格とは?
フォークリフト運転免許の資格は、転職活動の前にはかならず取得するようにしておいてください。
なぜなら入社して最初は現場の業務を覚える事があり、その際にフォークリフトを使用するためです。
事務職で入社しても、最初は現場で仕事を覚えるために現場で修行を積む会社が多く、フォークリフトの免許があるだけで重宝されます。
ずっと現場職ということはありませんが、事務仕事の合間に、フォークリフトを運転することもざらにあるそうです。
ほかの業界のように「事務職であれば現場に関わらない」ということはなく、大卒であっても運転する機会はかなり多いです。
どうしたら転職できる?物流業界が求める人物像とは!?
物流業界が求める人物像は、忍耐力の高い人材と体力のある人物です。
また英語等の語学もできるほど有利で、コミュニケーション能力があるとさらによいでしょう。
物流業界は確かに荒っぽい人は多いのですが、お客様の前でそのような態度を取っていては当然NGです。
そのため最近ではコミュニケーション能力のある人材が重宝されており、大卒から就職する場合の事務系には、海外企業との応対があるために語学力も必要になりつつあります。
グローバル経済いわれているように、物流企業もあらゆる場所に進出していることから、語学力が必要なケースが増えているのです。
どこの業界でも同じだと思われるかもしれませんが、この業界はとにかく重量物を動かすということもあり、タフさが求められます。
第二新卒から物流業界への転職に役立つ自己PRとは
未経験で第二新卒の場合には、物流業界に転職するには有効な志望動機があります。
第二新卒には共通して「最低限のマナーを習得している人材」を求めていますが、運送業界にはもう一つ訴求力のあるアピールポイントを付け足しましょう。
そして物流会社が求めている能力が「忍耐力」「体力」「英語力」「コミュニケーション能力」です。
とくに海運関係は英語能力必須ですから、ここをアピールできれば、内定を勝ち取ることはむずかしくないはず。
人材不足で悩んでいる業界の今だからこそ、有利な就職を掴み取りやすいのです。
志望動機の具体例
24歳の第二新卒で、前職はメーカーでの営業職をしていた場合の自己PRと志望動機例です。
前半が自己PRで後半が志望動機なので、参考になる点は利用してみてください。
「私はこれまで2年間、メーカーで営業職として勤務してきました。配属先では営業職として忍耐強くお客様周りをしております。大学生時代は、体育系のクラブに所属していたので体力には自信があります。
これまでメーカーでの営業職として、グローバルな仕事に携われるように勉強し、TOEICの大会などでも800点を取得したことがあります。また営業職で培ったコミュニケーション能力を活かすことで、お客様への好感を与えるのは得意な仕事です。
御社に興味を持ったきっかけは、いつも依頼をしている物流会社様方の仕事が面白そうだと感じたところです。
勤務をしている中で、商品の配送を依頼していましたが、手配をするうちにこんなに大きな品物をどうやって運んでいるのだろうか、という興味を持ちました。
実際に拝見したところとても手際がよく感動し、大きなものを運送しているダイナミズムにも憧れを持ちました。
物流は社会の根幹をなすインフラであると考えており、これから最も必要とされる業種のひとつで、会貢献性がとても高いと考えるようになりました。よろしくお願いします。」
このように志望する企業の求める人材像に合わせて自己PRを行い、志望動機につなげることで確実に面接官の心情に訴えかけることが可能です。
第二新卒から物流業界へ転職!まずは転職エージェントに登録
物流業界の大手の場合、現業職はハローワークでも募集していますが、第二新卒向けの国際業務など、英語を使う事務職については求人は転職エージェントに依頼することが多いです。
企業の幹部候補生採用などは、とくにその傾向にあります。
というのも、ハローワークや転職サイトでは、そこまでレベルの高い人材を期待しての採用はしていません。
ハローワークは求人掲載料金が0円なので求人掲載は容易ですが、そもそも本気で求職のために面接にくる人が減るため、余計なリソースを割くことになるため非効率なのです。
転職サイトの場合は、採用できてもできなくても、かならず一定の金額がかかってしまいます。
転職エージェントであれば、候補者を転職エージェントが探してくれるために業務負担が減り、成功報酬型なので余計なお金もかかりません。
このような良い人材を集めるため、そして効率的な求人のために、良い会社ほど転職エージェントを利用するというわけです。
積極的に転職エージェントを活用し、物流業界への内定を獲得しましょう。
第二新卒の方にオススメの転職エージェントは、下記の記事でくわしくご紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
>>【3社だけでOK!】第二新卒の転職活動で使うべき転職エージェント