私は以前、新卒として都内の海外旅行をメインとした、中小の旅行会社に勤務していました。
しかも飛行機ではなく、船での海外旅行を行なっている旅行会社。
年に何回かはクルーズの添乗員として、お客様に同行してクルーズできる、というメリットにとても惹かれて就職しました。
元々大学時代も国際政治学を学んでいたこともあり、世界平和や海外情勢には関心があります。
「旅が平和を作り、平和が旅を可能にする」というその社訓にとても同意ができましたので、この会社を希望したのでした。
「世界情勢に大きく左右される海外旅行を扱っているからこそ、世界の動きに敏感になるし、仕事をしながら海外のことを学べる」と聞き、魅力を感じこの旅行会社にどうしても入りたいと思ったものです。
大手ではありませんでしたが、やりがいはある会社だと思えたのです。
そんな私が、結婚という人生の一大イベント後に、第二新卒の立場で転職活動をした時のお話をします。
最初に就職した旅行会社の仕事
務めていた会社での具体的な仕事は、クルーズ旅行を希望するお客様から、申込受付と申込後の手続きをすることでした。
ビザ・チケット・現地港でのツアー取得のサポートだけではなく、お客様の不安に対する相談に乗るなど、申込から出発までのあらゆることのサポートをする、とても重要な仕事。
この会社では、海外へのクルーズ旅行を扱っているだけあり、多くの海外事情に敏感にならざるを得ず、海外の歴史や現状などを学ぶこともできました。
南北朝鮮の問題やイスラエルとパレスチナの問題など、複雑すぎてふつうの人では知ることのできない情勢まで学ぶ機会があり、やりがいもとても強く感じていたことを覚えています。
ですがあることをきっかけに、転職を決意をしなければならなくなるのです。
第二新卒からの転職を意識したのは”結婚”
仕事は楽しく充実していましたが、結婚によってその考えがまったく変わってきました。
大学時代から付き合っていた、8歳年上の女性と社会人になった1年後に結婚することに。
彼女の年齢から考えても子供は早めにほしいと感じるようになり、そのためには今の給料ではやっていけないと感じはじめます。
正直、結婚と職場などの人生の悩みが深すぎて、この時は円形脱毛症になってしまったことから、効果のやさしい女性用育毛剤のお世話になった苦い記憶も。
社会保険こそあるものの、少し良いバイトをした方が稼げるぐらいの給料に、残業代もボーナスもない状態では貯金もできません。
ましてや子供なんて到底育てられないと感じ、入社後ずっと昇給もなかったことから未来に不安を感じるようになりました。
このままでは結婚生活を維持できない
このままでは結婚生活が維持できないと感じたことから、上司にすべてを話し給料を上げてもらうように交渉しました。
ですが「こちらで検討して返事をする」と言われただけで返答がなく、再度伺っても曖昧に濁された答えしかありません。
合計3回ほど相談したのですが、1回も明確な答えをもらうことができず、だんだんと会社に疑問を感じるようになります。
そして会社への信頼が自分の中で次第に落ちていき、私の仕事へのモチベーションも同様に低下。
最終的には「今の給料では生きていけない」という理由で、これまでなんとか避けていた、退職をするという選択を決意します。
仕事内容自体は嫌いではなかったし、やりがいも感じていました。
また上司・同僚・部下など、社内の雰囲気や人間関係も良い方だったので、深く悩むことに
「日本社会で社内の雰囲気が良く、やりたいことをやれている人というのはどれぐらいいるのだろう」
「やりたいことをやれているのは、じつは幸せなことなのではないか」
このように考えは堂々めぐりをして、給料という理由だけで退職してよいものかを長い期間悩み続けました。
もちろん会社側からも何度も声をかけられましたが、「給料があがらないということは生きていけないということ」と判断。
生きていけないなら、ここにいる意味はないと考え、家族と家族の未来を守るために決めました。
第二新卒を活かして転職活動を開始
退職を心で決めた直後から、迷いなく転職活動をはじめます。
幸いなことに私の場合は「第二新卒」の対象になるタイミングだったので、そのチャンスを活かした転職活動ができ、企業説明会にも積極的に参加しました。
「少しでも社会人経験がある」というだけで、第二新卒はある程度優遇されたように感じます。
もちろん多くの企業で、第二新卒を募集している訳ではないことに注意は必要です。
その中で私は「やりがい」「以前よりいい給料」という、絶対譲れない2つの条件に絞って探して見つけた1社に目標を絞ります。
第二新卒として応募したところ、「筆記試験」は免除されました。
その後の集団面接と個人面接を突破できたわけですが、私には「これまで給与面以外では前向きに働けていた」という自信があります。
身についたことも多かったことから、どんな質問に対しても自信をもって答えることができたのです。
また前職で身についたことが多かったので、「その会社で自分が何をできて、1年後・3年後・5年後に自分や会社がどうなっているか」という具体的な内容を明確に話せました。
緊張もせずに、はっきり堂々と受け答えができたために、そのまま面接会場で「採用」の2文字を伝えられることになるのです。
じつは有利な第二新卒
たった1社しか受けていないのですが、採用まで辿りつけることは、願ってもいなかったのでとても喜んだことを覚えています。
前職の旅行会社を退職後、それほど期間をあけずに再就職することができました。
個人的には「なぜ前職を退職したのか」ということ。
そして「その会社で自分は何ができるか(貢献できるか)」ということが明確に説明でき、堂々としていることが転職を成功させる最大の秘訣だと思います。
また自分自身の武器を最大にアピールし「第二新卒」というメリットを最大限活かせれば、転職を有利にできるのではないでしょうか。